蚊やダニはHIVの感染経路にはなりません | Quality Of Life

蚊やダニはHIVの感染経路にはなりません

蚊に刺されても、本当にHIVに感染する危険はないのでしょうか。これは、HIVについて寄せられる相談の中でも大変関心の高い質問だと感じています。

結論から言えば、蚊がHIVの感染経路になることはありません。蚊と同じように人の血を吸うダニに刺されたとしても同じことです。

蚊やダニはHIVの感染経路にはなりえないのです。

蚊によってHIVが感染するのではという不安をお持ちの方は、おそらくマラリアや日本脳炎のような病気を蚊が媒介することをご存知の方ではないかと思います。

蚊が媒介して感染する病気というのは、マラリアや日本脳炎、デング熱、黄熱など一部の病気に限られます。

血液を媒介して感染する可能性のある、HIVをはじめ、A型肝炎、B型肝炎なども蚊を媒介して人から人に感染することはないのです。

蚊によって上記のような病気が人から人へ感染しない理由は、簡単です。

蚊が一度に吸引できる血液は、HIV感染に必要な血液の量の10万分の1といわれています。蚊が吸った血液を感染原とするには、圧倒的に量が足りないのです。

また、そもそも蚊は、一度吸った血液は蚊自らの栄養として消化、吸収してしまうため、次の人に、前に吸った人の血液を注入するようなことはしません。

また、蚊は人を刺す時に血液が固まって傷口が塞がるのを防ぐために、唾液を人の体内に注入していますが、前に吸った血液を次に刺す人に注入することはないのです。

蚊が媒介となる病気の場合には、マラリアの原因となるマラリア原虫は、蚊の消化管内でも繁殖し、蚊の体内で消化管から唾液腺へと移動します。

日本脳炎の原因となる日本脳炎ウイルスも蚊の体内で数万倍から数十万倍に増殖し、蚊の体液と共に唾液腺に移動します。

そのため、蚊が人を刺すときに注入する唾液と一緒に人間の体内に侵入して感染が起こります。

これに対して、エイズの原因となるHIVは蚊やダニの体内では増殖できません。

また、蚊の唾液腺ウィルスが移動することもありません。このため、蚊やダニを介して、エイズが感染することはないのです。

その証拠に、HIVが流行している土地の中で、蚊が多い地域でもその他の地域でも、エイズ感染者数に差は出ていません。

なお、蚊を手で叩き潰すと血液が手などに付くことがありますが、さきほども述べた通り、

その血液がHIVに感染した血液であったとしても、感染を引き起こすほどの量ではないと考えられます。

また、健康な皮膚にHIV感染者の血液が付着したとしても、皮膚からHIVに感染する可能性は極めて低いといえます。

念のため、手についた血を洗い流せばそれで問題はありません。蚊やダニによってHIVが感染しない理由がお分かりいただけたでしょうか。