更年期に便秘になるという人は、どうしてそうなるのが知っておく必要があります。
そして、更年期の便秘を解消するにあたって、便秘薬の使用を避けるべきであるという事実も理解しなくてはいけません。
ここでは、その二つについて、仕組みを解説していきます。
更年期とは、閉経の前後約10年間の時期を総称してこう呼びます。
具体的な年齢は、およそ45歳から55歳までのあいだであることが多いですが、個人差もあります。
この時期になると、体内のホルモン分泌量が減少して、肉体のバランスが変化します。
このバランス変化の過程で便秘の症状が現れることがあります。
体内バランスの変化によって起きるものなので、意識的に避ける方法は残念ながらありません。
更年期障害とも微妙に異なりますが、規則正しい生活リズムを維持しているとともに、日頃から腸内環境が優れていると便秘になりにくいとされています。
この時期に便秘になる種類は2つです。精神面で強い負荷がかかり、その結果起こる痙攣性便秘と、
体のバランスが崩れて、腸の蠕動運動の機能が低下し、その結果起こる弛緩性便秘です。
どちらの便秘であっても、便秘薬の使用は避けるべきです。
その理由を次に説明します。
更年期の便秘に便秘薬の使用を避けるべきなのは、内蔵の機能に負荷をかけるからです。
便秘薬というのは、朝の蠕動運動を強制的に活発化して、排泄を促すものです。
通常の弛緩性便秘であれば、機能が低下している蠕動運動の働きを助け、便秘の症状を緩和することができる便秘薬ですが、
更年期時の弛緩性便秘の原因は、体内のホルモンの減少による内蔵機能低下です。
そんな時に、無理矢理に腸を動かす成分の入った便秘薬を飲めば、ただでさえ弱っている内臓器官に、さらなるダメージを与えてしまいます。
痙攣性便秘は、そもそも刺激自体を与えることがよくありません。
更年期の場合でなくても、痙攣性便秘に便秘薬を使用することは忌避されることが多いです。
更年期の便秘は薬で直すのではなく、規則正しい生活を心がけ、体内のバランスが持ち直すのを待つほうが賢明です。
この時の便秘は、一過性のものが多いので、薬で無理やりなんとかしようとするのではなく、
オリゴ糖などをしっかりと摂取して、腸内の善玉菌を増やすことを目指すべきなのです。
食習慣を改善するのが、更年期の便秘解消に最も適した手段です。
しかし、症状が既にひどく、今更そんなことをしている場合ではないという時は、最低でも市販の便秘薬を使うのは避けることです。
なぜなら、市販されている便秘薬は通常の弛緩性便秘の症状を緩和するために作られたものであり、更年期の便秘や痙攣性便秘を対象としていないからです。
そのため、医師に更年期の便秘であることを伝えて、内蔵に負荷がかからない便秘薬を処方してもらうことを勧めます。