流産や死産はあなたのせいじゃありません!不妊治療課程における心傷

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妊娠するということは、喜びと共に「流産への不安」を伴います。

私の周囲でも「安定期に入るまでは何があるかわからないから公表しない」という友人が多数います。

それくらい、流産してしまう確率は高いのです。

流産の種類には、切迫流産、進行流産、稽留流産、不完全流産、完全流産、感染流産、習慣流産があります。

これらの流産は妊娠の約10~20%におよぶと言われています。

1回の流産は次の妊娠への影響がほとんどありませんが、一定期間内に2回目の流産を経験した場合、

3回目の妊娠の可能性が減少してしまい、また習慣流産の可能性がありますので精密検査を受けることをお勧めします。

習慣流産は同一時期に3回以上の流産を繰り返す状態を指します。

妊娠から11週以内の早期流産の場合、胎児の染色体異常が主な原因であると言われています。

妊娠12週以降の後期流産の場合、母体側に原因がある場合が多くなりますので適切な治療が必要となります。

習慣流産の原因のほとんどは、遺伝子異常や染色体異常です。

これは、その他の流産の原因としても最も多く、50~60%であると言われ、高齢出産ではこの遺伝子異常や染色体異常が起こりやすいと言われています。

母体側の原因としては、頚管無力症、子宮奇形、子宮筋腫といった子宮に起因するものと、糖尿病や甲状腺の疾患、

黄体機能不全、免疫不全症、高プロラクチン血症といった、内分泌や代謝疾患によるものが考えられます。

その他、感染症や免疫不全症、着床障害も原因と考えられます。

ここで言う「黄体機能不全」とは、黄体ホルモンの分泌が少ないために卵胞が育ちきれなかったり、着床するために必要な子宮内膜の形成が不完全な状態となります。

特に不妊症に悩む方は妊娠に対する気持ちが高く、流産してしまうとその分深い悲しみとなります。

妊娠をしにくいことや、流産してしまったことに対して自分のせいだと責めてしまうことも多いようです。

しかし、実際はこれまでに述べてきたように胎児の染色体異常によることが多く、また母体に原因があったとしても、

その原因をしっかりと調べ治療を行うことで、元気な子供を出産することに繋がるのです。

流産の経験を過度に気に病んでしまうと、妊娠に対する恐怖心(妊娠してもまた流産してしまうのではないかなど)が芽生えてしまい、

また様々なストレスを感じてしまうことで、妊娠に対する影響も大きくなりますし、妊娠後の分泌異常を引き起こしてしまうことにもなりかねません。

流産の経験を忘れてしまう必要はありません。

ただし、胎児が示してくれた原因をしっかりと見定め、次に会えるその時まで、母体を健康に保つことが必要なのです。

流産は決してあなただけのせいではありません。

顔を上げてまた前を向いて妊娠出産に向けて一歩ずつ歩いていけたらいいですね。

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