子宮に腫瘍がある場合、良性であれば病名としては子宮筋腫と診断されます。子宮筋腫になったからと言って、必ず症状が出るというものではありません。
実際、子宮筋腫があっても気づかずにいて、何か別のきっかけで検査を受けた際に偶然発見されるということも珍しくありません。
しかし、子宮筋腫が大きくなると、それに伴って症状が現れる場合もあります。
子宮筋腫は、良性の腫瘍のため、それ自体があっても問題はないのですが、自然に治るという性質のものでもありません。
また、だんだん大きくなることが多いものでもあります。そのため、子宮筋腫があるとわかっている場合は、子宮筋腫の状態を把握しておくことが必要です。
それでは、今の段階では特に治療の必要が無く、経過観察でいいですよと診断された場合は、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
まずは、自覚症状が出るまで放っておくのではなく、定期的に検診を受けることが必要となります。
定期的に検診を受けることによって、大きくなっている場合はそれがわかりますので、大きさを見ながら必要があれば治療を開始することもできるからです。
また、まだ症状が出ていないうちに、どのような症状が出る可能性があるのか知っておくことも必要です。
今までは何ともなくても、大きさが変わったり新たな子宮筋腫ができたりした場合は、急に症状が現れることもあるからです。
そうなったときに、それが子宮筋腫のせいであるとわかっていれば、適切な対応ができます。
子宮筋腫が原因で起こる症状としては、月経の際の異常として、月経の期間が長くなったり出血量が増えることがあったり、痛みを感じたりすることがあります。
また、貧血を起こすこともあります。貧血になると、動機がしたり息切れがしたりするようになります。
また、めまいや立ちくらみがすると倒れる可能性もあるので、そういった自覚症状が現れ始めたらその原因となる子宮筋腫の治療が必要となります。
そして、中には、急を要する症状もあります。それが、子宮筋腫が変異することです。
壊死が起こると激痛がして、そのままにしておくと危険な状態となります。この場合は緊急手術を受けることになります。
また、腹膜炎などの合併症を引き起こす場合や、月経時に出血量が多くなることで出血性ショックを引き起こすなど、危険な症状が出る場合もあります。
そのため、事前にそういった可能性があることを知っておき、急にそれらが起こっても慌てずに、医療機関と連絡が取れるような状態にしておくことが必要であると言えます。
普段自覚症状が無ければ、つい子宮筋腫であってもそれを意識することなく生活してしまうかもしれません。
しかし、ずっとそのままであるとは限らないので、経過観察が必要だと言われた場合は、定期的に検診を受けながら、
いざという時に慌てないで済むように子宮筋腫について理解しておきましょう。