子宮筋腫ができている場合、治療をするとなると、思い浮かぶ方法は手術なのではないでしょうか。
手術をすることによって、子宮自体を摘出してしまえば、その後再発を心配する必要はありません。
また、妊娠を望む人は子宮を摘出することはできませんが、子宮筋腫のみを取り除くという手術方法もあります。
この場合も、再発する可能性は否定できませんが、子宮筋腫を取り除くことが可能で、再発しなければ完治することもできます。
ですが、手術となると、やはり抵抗もありますよね。そこで、手術をしない方法を考えると、やはり薬を使用するというのが一般的となります。
それでは、薬を使えば子宮筋腫を完治させることはできるのでしょうか。これは、結論から言えば、残念ながら完治させることはできません。
そうなると、薬を使う意味があるのかどうか、疑問に思うかもしれません。
それでは、薬を使用する治療は何を目的に行われているのでしょうか。薬を使用する場合、2つの考え方があります。
まず1つは、子宮筋腫自体を治療するのではなく、子宮筋腫があることによって起こる症状を緩和させようという考え方です。
対症療法と呼ばれる方法になるのですが、痛みを強く感じる場合には鎮痛剤を使用する、月経時の出血量が多い場合、
それ自体を少なくするために止血剤を用いたり、それによって起こる貧血に対して鉄剤を処方したりするなどです。
これは、先ほども述べたように子宮筋腫自体を治療するものではないので、その後、子宮筋腫が大きくなるなどの変化があった場合には、
子宮筋腫自体を治療しなければならないこともあります。
2つ目が、ホルモン療法です。
これは、注射や点鼻薬によってホルモン剤を投与し、女性ホルモンの分泌量を調節することによって、子宮筋腫を縮小させることを狙いとして行う治療です。
この方法では副作用が出やすいため、体への負担を考えて、連続でホルモン剤を使用できるのは6か月までとされています。
そして、ホルモン剤の投与をやめた場合、また子宮筋腫が大きくなってしまいます。
以上のように、薬を用いる治療方法では、子宮筋腫が原因で起こる症状を軽くしたり、子宮筋腫を縮小させたりすることはできても、子宮筋腫を完治させることはできません。
そのため、子宮筋腫の状態によっては、手術が避けられないこともあるのです。
しかし、状態によっては症状を軽くするだけでもかなり楽になることもありますので、子宮筋腫がどのような状態であるのかをきちんと知った上で、必要な治療方法を選択するようにしましょう。