子宮にできた良性腫瘍は手術で切除するか、ホルモン療法が一般的です。ではホルモン療法で腫瘍の何が変わるのでしょうか?
まずホルモン療法が行なわれる目的は、いくつかあります。
一つは手術をする予定の患者さんに対して行なわれます。
手術の前に腫瘍を小さくして切除しやすくするためと、子宮のまわりの血の流れをおさえて手術の際の出血量を減らすためです。
腫瘍が小さいほうが開腹しなくて済むこともあり、大きいままより負担が減ります。
さらに手術をすぐには行なえない場合に、貧血や痛みなどの腫瘍が体に与える症状を楽にするためにも治療が行なわれます。
次に妊娠を望んでいても腫瘍のせいで妊娠が難しい場合にも行なわれます。
腫瘍を小さくしたりして妊娠しやすくし、さらに妊娠を継続するためです。
そして閉経すると腫瘍は小さくなりそのまま自然治癒するケースが多いため、閉経が近い場合はすぐに手術をせずにホルモン療法で小さくして様子をみることもあります。
以上のように目的はいろいろですが、ホルモン療法によって腫瘍を小さくしたり、症状を軽くしたりすることができます。
ホルモン療法は効き目が出るまでに数ヶ月かかります。
そして治療によって月経が止まったりするなどの閉経と似たような状態になります。
ですが治療をやめるとまた元に戻ってしまいます。
一度は小さくなった腫瘍もまた元の大きさに戻ってしまうのです。
治療をやめるときは医師の指示に従いましょう。
そしてホルモン療法で一般的なのは注射か一日三回の点鼻薬です。
点鼻薬を使用するホルモン療法では1日の容量を守ることが重要なので、いつもの時間に服用し忘れたときはあとから服用するようにして、1日の容量を守るようにしてください。
ホルモン療法は子宮の良性腫瘍の有効な治療法です。
結果がでるまで時間がかかりますが、毎日容量を守って続けることが大切です。
気の長い治療法ですが、きちんと続けるようにしましょう。