現代の青汁健康効果は知らない人がいないと言っても良いほど常識化されつつある。
そのような青汁とは、そもそもいつ頃からあったものなのだろうか、と素朴な疑問を持った。
調べると驚いたことに今から1000年以上も前、日本最古の医書にも青汁の原型があった。
もちろん青汁との名前ではなかったようだが、生の葉っぱの汁が病気治療に使われていたことは事実である。
そして、更に興味深いことは、第二次大戦中に遠藤仁郎医学博士(1900-1997)によって緑葉食青汁運動が提唱されていたのである。
戦中、戦後食料も薬もない時代とは言え、医師であるにも拘らず、薬はいらない青汁を飲めば病気は治るとの説に、一般人からは随分非難も浴びせられた様だった。
しかし、それにも屈することなく、入院患者の病院食としての青汁を作るため、清浄野菜の栽培や、
潰して汁にする方法など、今の世の便利な道具や材料もないときに暗中模索しながら必死で進められていた。
しかし、多くの患者に良い回復結果がでたにも拘らず、西洋医学一辺倒の医学界ではなかなか認められなかったようだ。
そして、遂に、当時日本にはなかった最も栄養価が高く、栽培の容易なケールを知り、わざわざアメリカから種を取り寄せたりされたのである。
人間の身体において摂取したカロリーやたんぱく質は、ビタミンやカルシウム、ミネラルなどの働きによって初めてその力を発揮できるのであり、
それに見合うだけの栄養素の働きが不足していれば、完全な栄養として体内に取り込まれないのである。
従って高カロリー、高たんぱくの食物ばかりを食べても、それを分解、吸収する働きを助ける緑色野菜を食べなければ燃焼もしなければ、筋肉にもならないことになる。
人間は一日に500グラムの緑色野菜を必要とする。
野菜ばかりしかも生で500グラムを食べることは不可能に近い。けれど、野菜を潰し、汁にして飲めば約コップ2杯くらいの量で済むのである。
青汁で全ての病気が治るとは断言できない。しかし、1000年も昔から良しとされていることに間違いはない。
人間は生まれたときから病気の人は少ない。多くの人が歳を重ねるに従って、病気になる。
それは身体の中の何かが狂ってきた結果だから、多少狂っても常に修正できれば病気にはなるまい。
それが身体を基礎から支える、ビタミン、カルシウム、ミネラルの働きなのである。
病気を未然に防ぐ、これほどの良い効果はないと言える。