私は同じ年頃の男の人に興味を持ったことがありません。友達は、同級生や、会社の同期など、お似合いの相手を見つけられるのに、私は全然だめでした。
たぶん理由は早くに父を亡くしたことにあります。女手一つで育ててくれたので、母には感謝していますが、私は父に甘えたかった。
写真でしかわからない父のイメージが私の理想だったのです。
そんな私が好きになったのが、10歳以上年上の彼でした。優しくて、彼といるととても心が落ち着きました。
彼と結婚することになって、お互いに初婚なのですが、彼は自分の年齢のこともあってあまり派手な式にしたくないと言いました。
私もあまり派手なことは好きではなかったけれど結婚式はしたかったので2人で式場に行って相談してみました。
私は綿帽子に憧れていました。昔テレビで、とてもきれいなお嫁さんを見て、同じようにしたいと思ったのです。
プランナーさんはいろいろな希望を聞いてくれて、思った様な式のプランができました。お客様も、お互いの親戚までという事で30人前後の小さめの式です。
新郎新婦とお客様の席が近いので、これからお付き合いしていく親戚の人の声が聞けるように自己紹介などを盛り込んでいただきました。
おごそかな雰囲気の中で、三々九度の杯を酌み交わす時、私はこの結婚式の主役なのだという事を意識して、緊張しました。
でも披露宴になると、思ったよりいろいろな人とお話がでたし、急きょ民謡などを披露してくれる人などいて場を盛り上げてくれました。
温かみの感じられる良い結婚式ができて良かったと思います。おかげさまで親戚づきあいもスムーズにいっています。
どことなく父の面影のある彼と結婚できて、今はとても幸せです。