挙式の日からあきらかに変わった人生への思い

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平凡な人生を送ってきたと思う。可もなく不可もなくというところだ。彼女と知り合ったのも職場でのコンパで、男女の人数合わせに連れていかれたようなものだと思う。

僕よりも良い男はたくさんいたし、みんな積極的だった。

席がちょうど隣合ったと言うだけの縁だった。それが人生を変える出会いだなんて思いもしなかった。

不思議な事にその彼女といろんな場所で3度出会った。買い物に行ったスーパーと、何気に出かけた神社と、残業の後寄ったコンビニの中だ。

良く良く縁があったのか、この事で僕達は親しくなったのだ。何度かデートらしきものをして、僕は彼女を愛し始めていた。

この人を逃したら、一生結婚する相手は現れないかも知れない。何故かそう思った。

その日の内に僕は彼女にプロポーズをした。彼女は驚きながらも頷いてくれた。すぐに結婚式場を予約し、とんとん拍子に事が運んだ。

その頃僕はちょっとしたマリッジブルーに襲われていた。本当にこれで良かったのか、あまりに早く決めすぎたのではないか。

何の障害もなく彼女と結婚し、それからの長い年月を一緒に過ごす。本当にそれで良いのか…もやもやした思いのまま結婚式当日を迎えた。

彼女は純白のウェディングドレスに身を包み、父親と一緒にバージンロードを僕に向かって真っすぐに歩いて来る。

父の腕から僕の腕へ、その時彼女の父の目から涙が溢れた。その時僕の心の中で何かがはじけた。

僕は何と馬鹿な事を考えていたのか、大切に育てた娘を僕に託す親の気持ちを少しでも考えたか。

この人を決して不幸にしてはいけない、必ず幸せにしなくてはいけない。そういう思いが湧きあがってくる。

式を挙げなければこんな感情はもしかしたら知らないままで終わったのかもわからない。この日から僕の人生への思いがまったく変わったのだ。

僕は自分の人生をかけて今妻となった人を守り続けようと決めたのだから。

そしてその時の思いは今も変わってはいない、いやその時よりも妻に対する愛情は強くなっているのかもわからない。

とにかくそれだけの力が結婚式というセレモニーにあるのは僕が身をもって体験した事実である。

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