Noという勇気を!!10代女性のHIV感染にストップ!!

日本国内で新にHIVに感染した患者さんのうち、感染経路が異性間の性行為によるものという患者さんの男女比率を見てみると、

感染者の約4分の3は男性ですが、19歳以下の若年層では女性の割合が高いというデータがあります。

また、20~24歳の年齢層でも、男女比はほぼ同率となっています。

若年層の女性の感染が増加しているのは、女性の性行為の初体験年齢が早まっていることと密接に関係しています。

現代のことですから、若いうちには性行為をするなと言っても、それはおそらく無理な話だと思います。

性行動の低年齢化を防ぐことは、HIVとは別の意味で大変重要なことですが、ここではその問題は別の問題として話しを進めたいと思います。

現実問題、性行動の低年齢化は進み、若者の多くが10代のうちに性行為を初体験する時代になっています。

この性行動の低年齢化に歯止めをかけるには、学校や家庭などでの教育が必要となり、目に見えるような効果を出すまでには、かなりの時間がかかることと思います。

しかし、HIV感染の問題は、時間をかけてはいられない、差し迫った問題なのです。

10代で性行為を体験することは、この際だからいいとして、大切なのは性行為を行うならば未成年であっても自分の体を自分で責任を持って守らなくてはいけないということです。

10代とはいっても、避妊や病気に関する知識は最低限持っているはずです。HIVを予防するには 知識があるだけでは何の意味もありません。

その正しい知識と結びつくように、正しい行動を自らが選択する勇気と努力が何よりも大切です。

避妊や病気の予防は男の役目と考える人も多く、コンドームを使ってほしいということを女性からはなかなか言い出しにくいという人がいます。

しかし、性行為は2人で行うものですから、避妊や病気の予防の問題だって、2人の問題なのです。

コンドームの使用を拒否するような男性が相手であれば、その相手とは性行為をしては決していけません。一度くらいならという考えは禁物です。

たとえあなたが初体験だったとしても、相手に性行為の体験があればHIVに感染する可能性はあります。一度の性行為で妊娠する可能性もあります。

「NO」と言える勇気が大切なのです。

その勇気がもてないために、あなたの一生に影響を与える重大な結果を招く可能性があることを、しっかりと肝に銘じてください。

HIVは感染から発症まで長期の潜伏期間があり、自覚症状がほとんどありません。また、自覚症状を感じたときにはエイズを発症してることも少なくありません。

相手に自覚症状がなくても、いくら信用できる相手だとしても、感染していない保証はないのです。

望まない妊娠や、HIVを含む様々な病気から自分を守るためには性行為の際、コンドームを使用するのは当然です。

性行為の際にはコンドームを使いましょう。それができない時には性行為をしない、「NO」といえる勇気を持ってください。

それが、拡大する若年層の女性のHIV感染を止めることができる唯一の方法です。