HIV治療の治療費が払えない。HIVの治療費支援とその問題点

別の項目でも簡単にふれたことがありますが、HIVに感染した場合、その治療費は服用し続けなくてはならない抗HIV治療薬などのためにそれなりに高額になってきます。

HIVは一定期間治療をすれば完治するというタイプの病気ではなく、治療とは一生涯の付き合いになりますので、治療費の問題というのは患者さんにとって大きな問題でもあります。

抗HIV治療薬を使った治療の場合、月の治療費は保険がなければ20万円程度、健康保険を使っても6万円程度のかかります。

これは患者さんにとって大変な負担になることから、HIVの感染が確認され投薬による治療が必要になれば、申請して身体障害者手帳を取得することが可能になります。

その場合には、所得にもよりますが、月の治療費は2万円程度に抑えることが可能になります。

また生活保護世帯などであれば実質治療費が無料になるケースもあります。

このように、もしあなたがHIVに感染して、身体障害者手帳を取得して様々な支援制度を利用すれば抗HIV治療費の自己負担はかなり軽減されます。

多くの支援は感染経路を問わずに受けられるものですので、治療費の問題で治療を中断する前に、こうした制度を利用することを検討してみましょう。

制度の詳細は自治体によって異なる場合もありますので、あなたの居住地の自治体に問い合わせをしてみるといいでしょう。

しかし、こういった支援制度があることを知っていながらも、これらの支援を受けることを選択しない人たちがいます。

それは、今後の支援において課題にもなる部分ですが、支援を受けるためには、あなたが申請して認可を受けることが必要である、という部分が患者さんにとって高いハードルになっているケースがあります。

手続き上の問題ですが、患者の個人情報やプライバシーの保護という観点では、まだまだ配慮しきれていない部分があるのです。

HIVに感染していることを周囲の人に知られたくない、と考えている場合には申請は困難な場合もあります。

制度を利用していない人も多くも、人に知られるのが嫌だという理由で申請をしない人が多いようです。

しかし、近年では郵送で手続きを行う方法や、医療ソーシャルワーカーが代理人となって手続きを行う方法なども可能になり、

徐々に患者の視点にたって利用しやすい支援のあり方が確率されつつあります。

個人情報の保護も含めた患者のケアについては、まだまだ課題も多いとこですが、こういった課題を解決するための活動も広く行われています。

例えば、エイズ予防財団などではHIV感染者、エイズ患者に対する各種支援事業を行っていますので相談してみるといいでしょう。

HIVに感染していたとしても、どうせ治療費なんて払っていけない、そんな理由で検査を受けていない人がいるという話も耳にしたことがあります。

そんなことはありません。

仮にHIVに感染していたとすれば、上記のような支援を受けることも可能ですし、早期発見、早期治療を行えば、

エイズの発症を抑えて、これまでと変わらない日常生活を送ることができます。