学校だけに頼らない。家庭でもできるエイズ教育について

子供を望まない妊娠やHIVを含む性感染症から守るためには、家庭での性教育が大切です。大切な子供の体を守るのに必要な性教育を学校に任せきりでいいのでしょうか。

家庭でも取り組むべき問題です。HIVの新規感染者数が横ばい、もしくは減少傾向にある主要先進国に対して、

日本では以前としてHIV感染が拡大し続けていることについては、これまでの項目でも説明してきました。

また、HIV感染拡大を防止するために、性教育がいかに重要であることについても説明してきました。

この性教育についてですが、日本では学校での性教育が遅れているというのもそうなのですが、

もう一つの問題として家庭での性教育がほとんどといって行われていないことにも問題があります。

あなたの家庭では、家族と性について話しをしたことがあるでしょうか。

日本では、性といえばすぐに「H」「いやらしい」「恥ずかしい」などのイメージに繋がってしまうために、家庭で性について話すなんていうことは信じられないことかもしれません。

しかし、今の日本では若者の間で、HVを含む性感染症が広がったり、望まない妊娠をする若者の数も増加しています。

子供の大切な体を守ることになる性教育を、学校がやってくれる・・・っと人任せにしていいものでしょうか。

あるデータでは、1日80人もの10代の若者が望まない妊娠をしているとされています。

日本では10代での出産は諸外国に比べて低いことから、望まない妊娠をした結果、多くの若者が人工妊娠中絶を受けているという問題もあります。

また、望まない妊娠についても大きな問題ですが、このデータは同時に、それだけの数の若者が無防備なセックスをしているということのデータでもあるのです。

この問題は、男子を持つ家庭も、女子を持つ家庭も現状として知って頂きたいと思います。

家庭で行える性教育は、子どもが早すぎる性行動をしないように、日ごろから性について子どもがどう思っているかをヒアリングしたり、

避妊や病気の予防の方法などの話を家庭内で話題に出せるようにしていくというだけでも十分な効果を発揮します。

よく、性教育に関する本を買い与え、それで満足しているご家庭を目にすることがあります。

避妊の方法や病気の予防方法を全く知らないから無防備なセックスをしてしまう訳ではありませんので、そのような方法が書かれただけの本には十分な性教育の機能は無いと思ってください。

家庭での性教育のためには、まずは子供の性の問題から親が逃げてはいけないということなのです。

親がよく子供に話しかけている家庭の子どもは、性行動開始年齢が遅いというデータもあります。

子供たちを望まぬ妊娠から、HIVを含む性感染症から守るのは親の務めでもあり、まず、親が積極的に取り組まなくてはいけない問題です。

日本では子供は性的な情報から隔離される傾向がありますが、欧米諸国などでは、子供がまだ小さいうちから性について親が語りかけ、

命の大切さや、その命を育む性の大切さ、また自分の体を守ることの大切さを教えていくといいます。

今、日本でもそんな性教育のあり方が求められているのではないでしょうか。

正しい性教育を行うこと、それが日本で拡大しているHIVから身を守るエイズ教育にもなるのです。