キスでエイズは移りません。HIV感染者との生活の方法について

あなたの職場や学校、また家族の中にHIVに感染している患者さんがいたとしたら、あなたはそのHIVキャリアの方とどのように付き合ったらいいでしょうか。

エイズという病気の実態が世界中でよく理解されていなかった時代には、HIVに感染したということで差別や偏見にさらされて、患者さんが大変辛い思いをしてきた時代もありました。

しかし、そんな時代は既に過去のことです。

HIVキャリアと一緒に生活をしても、性行為を行わない日常生活の中でHIVに感染することは、まずありません。

あなたの職場や学校、家族の中にHIVに感染してしまった人がいたとしても、それまでとかわらず日常生活を一緒に送ることができます。

HIV感染者が触れたもの、感染していない人が触れたとしてもHIVに感染することはありませんので、

トイレや食器類を共用したり、身の回りの器具、品物などを一緒に使ってもHIVに感染することはありません。

お風呂やプールに一緒に入っても感染することはありませんし、もちろん空気感染もありません。

家庭、職場、学校などでHIV感染者と一緒に生活しても、HIVに感染することはないのです。

気をつけなければならないとすれば、性行為に関することと、HIVに感染した人の血液に触れる可能性のある、例えばカミソリなどの刃物を共有しないようにすることです。

HIVやエイズについて知っている人であれば、唾液の中にはHIVが存在しているのではないかという疑問を持つかもしれません。

しかし、唾液に含まれるHIVは非常に微量です。

HIV自体は感染力の弱いウィルスですので、唾液に含まれるくらい微量のウィルスでは感染は起こらないのです。

仮にHIV感染者と激しいディープキスをしたとしてもそれは変わりません。

では、口の中に傷があったり、粘膜が爛(ただ)れていたとしたら、またHIV感染者が歯茎などに出血を起こしていて、キスでHIV感染者の血液が口に入った場合などはどうでしょうか。

この場合もHIVの感染は起こりません。

まず、唾液によるHIV唾液からHIV感染は起こらないことは、各国の研究者が証明していますし、WHOも唾液からの感染はないと断言しています。

そのため、HIV感染者と例え激しいディープキスをしたとしても、借りにその際、自分の口の中に傷や粘膜の炎症があったとしても、唾液によってHIVに感染することはないのです。

また、激しく歯を磨いた時など、口の中で歯茎から出血してしまったというような体験がある人は多いと思うのですが、そのような場合、口の中に多少の血液がある可能性があります。

そのような状態のHIV感染者とキスをしたとしても、やはり感染は起こりません。

既述の通り、HIVは感染力が弱く、口の中に多少の血液があったとしてもそこから感染することはまずありえません。

例えば口いっぱいに血が溢れているような状態でキスをして、血液が口の中に入り、それが口の中の傷から血液の中に入ってしまうというような状況があれば、

感染の可能性は否定しませんが、現実的に考えてそんな状況でキスをするということ自体考えにくいことです。

実際にキス文化のある欧米でも、キスによるHIV感染は起こっていません。HIV感染者とはキスをすることを含め、普通の人と変わらない日常生活を送ることができるのです。

謝った偏見で感染者を差別することなく、普通の日常生活を送ってください。