即日結果が分かるエイズ検査の結果は本当に信用できますか?

エイズ検査には即日検査というものがあります。名前の通り、その場で結果が分かるため、手軽に検査ができるという利点から多くの検査機関で使われています。

しかし、即日検査では採血をしてから20~30分程度で結果が出ることから、検査結果がどの程度正確なのかということを不安に感じる方もいるようです。

即日検査で陰性と結果が出たにも関わらず、安心できずに再度検査を受けたというような話を耳にすることもあります。

しかし、医療機関や保健所などで使われている即日検査は、迅速に結果が分かる検査であって、

決して簡易検査というわけではありませんので、結果については信用していただいて問題ないものです。

ただし、即日検査試薬に関わらず、HIV抗体検査には偽陽性の可能性があることは事実です。以下で詳しく説明したいと思います。

現在、即日検査で使用されているHIV抗体迅速診断試薬は日本で、薬事承認を受けているものですので、通常のHIV抗体検査と同等に信頼できる検査結果が得られます。

ただしこれは、薬事承認を受けている即日検査試薬に関してであって、インターネットなどで販売されている、

自分でできる即日検査キットなどとは別物ですので、勘違いしないようにしてください。

通常のHIV抗体検査と即日検査試薬の感度を比較するために、HIV陽性のサンプルを使用して行った実験では、

即日検査試薬でも通常の検査試薬でも、ほぼ同等の検出感度であることが確認されています。

ただし、通常検査試薬と即日検査試薬どちらにも結果が偽陽性になる可能性がありあます。

また、偽陽性になる確率が即日検査試薬の方が若干高いことも分かっています。

即日検査試薬では偽陽性率が1%あり、HIVに感染していなくても数字の上では100人に1人に陽性反応が出ることになります。

偽陽性が出ることについては確認されていますが、通常検査試薬でも即日検査試薬でも、偽陰性が出る確率は極めて低いとされていますので、

陰性という結果が出たのであれば、通常検査試薬での結果にしても即日検査試薬での結果にしても、検査の結果を信用していただいて問題ないということです。

HIV感染しているかどうかは、通常2度の検査で判定されます。

一度目の検査はスクリーニング検査と呼ばれるのですが、このスクリーニング検査は迅速に検査が行えるという特長がある一方で、偽陽性が出る可能性があり正確性には劣ります。

既述の通り、偽陰性が出る可能性は極めて低いため、スクリーニング検査で陰性であれば検査は一度で終了しますが、スクリーニング検査で陽性であった場合は、必ず確認検査が行われます。

確認検査を行わないと、HIVに本当に感染しているかという結果は確定できないのです。

確認検査はスクリーニング検査のような迅速性はありませんが、正確な結果を得ることができます。

スクリーニング検査で陽性、確認検査で陰性となれば、その人はHIVには感染していないという判断になります。

スクリーニング検査と確認検査の両方で陽性となってはじめて、検査結果はHIV陽性と確定するのです。