HIV患者がHIV陽性だと分かったきっかけとは

エイズ検査の結果、HIV陽性だと分かるまでには色々なケースがあります。

例えば、あきらかに自覚している感染の機会があった場合などには、抗体検査ができるようになる3ヶ月を待ってすぐに検査をし、結果陽性であったということもあるでしょう。

しかし、こういったケースが一般的というわけではありません。

日本では、潜伏期間の間はHIVの感染に全く気が付かず、エイズを発症した段階になって初めてHIVに感染していることを知るという患者さんが少なくないのです。

HIVは、本人の同意なしに勝手に検査をすることはできませんので、例えば毎年会社の健康診断などで血液検査を受けていたとしても、その検査項目にHIVの抗体検査は含まれていません。

本人がHIV検査を希望して検査を受けなければ、HIV陽性だと気が付く機会はないと思ってください。

中には、初期症状の段階で検査を受けることができる人もいますが、HIVの初期症状は現れない人もいますし、あっても数週間で自然に消滅してしまいます。

初期症状な消えた後には、症状の無い潜伏期間が長く続きますので、この間にHIV感染に気が付くのは大変難しいことなのです。

しかし、HIV感染に気が付かないということは治療ができないということです。

抗HIV治療薬を服用し続けることで、HIVの発症を遅らせるというのが現在のHIV治療のメインですので、発症してからHIV陽性であることに気が付くというのは、致命的な治療の遅れになります。

また、潜伏期間中であっても、ウィルスは人に感染することから、知らず知らずのうちに誰かにHIVを感染させてしまう可能性もあるのです。

欧米諸国などでは、性行為の経験があれば定期的にHIV検査を受けるというとが習慣になっている国もあります。

HIV検査を受け、感染に気が付くことが早期治療にも繋がり、感染拡大の防止にもつながるのです。

自分には、HIVに感染するような機会はなかったと、多くの人は思うかもしれませんが、HIVは特殊な経験があったり、特殊な環境にいる人だけの病気ではありません。

性行為の経験がある以上は、誰にでも感染の可能性があるのです。

コンドームを使ってセックスをしていたとしても、使用法や性行為の方法によっては、感染の確率はゼロではありません。

女性の子宮頸ガンなどの、性行為を介して感染する病として、性行為の経験があれば定期的に検査を受けようという動きが始まったいますが、

HIVも同じように定期的に検査を受けるべき病気として、日本国内でも広めていかなくてはならないと考えています。