他人事じゃない。エイズの症状を知っていますか?

あなたは、エイズと聞いても自分とは全く関係のないものだと考えてはいないでしょうか。

衛生環境の悪く国や地域で発症しているもので、日本で暮らしている自分が感染することはないというように思ってはいませんか。

エイズは、対岸の火事ではありません。日本でも年々感染者数が増えており、あなたや、あなたのパートナーが感染していても全くおかしくないのがエイズなのです。

人事と思わずに正しいエイズに関する知識を広く見につけてもらいたいと思います。

まず、エイズがどんな病気なのかを知っているでしょうか。エイズという名前は有名でも、実際にどんな症状が現れるのかを知らないという人は案外多いことと思います。

エイズには、感染すると3つの段階に分かれて様々な症状が現れます。

まず初めが急性感染期で、HIVウィスルに感染すると2~8週間程度で多くの人に症状が現れます。

そのため、感染から2~8週間を急性感染期と呼ぶのです。感染後、ウイルスが体内で急激に増えるために一時的な反応として症状が現れます。

典型的なのがインフルエンザ様の症状で、39度を超えるような発熱が見られることもあります。

また、リンパ節が腫れたり、咽頭炎、発疹、筋肉痛・関節痛、下痢、頭痛などが現れることもあります。

この段階を過ぎると、急性感染期の症状はほとんどの場合で消失してしまい、この後、数年から10年以上の無症候性キャリア期に入ります。

期間の長さは個人の免疫力や、体質によって変わります。無症候期であるため、HIVに感染しているか否かを、症状から予測するのは極めて困難となります。

HIVウイルスに感染するとCD4+リンパ球が破壊され、減少していきます。これにより、免疫能が低下して徐々に症状が現れるのがAIDS期です。

免疫機能の低下によって起こる症状はAIDS関連症候群(ARC)と呼ばれています。

発熱や体重の減少、慢性の下痢、全身の倦怠感、寝汗や頭痛、また感染症としてカリニ肺炎、サイトメガロウィルス感染症、結核、真菌症などもHIV感染後期に発症しやすい症状です。

CD4+リンパ球が200/ul以下になると致命的な感染が出現しやすくなります。

AIDSの状態で無治療で過ごした場合には、2年前後で死に至るという大変、深刻な病気です。

CD4+リンパ球が低下しても重篤な感染が出現していなければ抗HIV療法の効果は非常に期待できますが、

悪性リンパ腫・子宮頸癌・重篤な感染症などの感染疾患がある場合は抗HIV療法を開始しても間に合わないことも多く、

このためCD4+リンパ球 数が200/ulに至る前に治療を開始することが推奨されているのです。

早期治療のためにも、エイズの症状を知り、おかしいと感じた時には検査を受けることが大切なのです。