メジャー通貨とは、発行国に国際的な信用があり、流動性の高い取引高の多い通貨を指します。いわゆるハードカレンシーがメジャー通貨ということなります。
どの通貨がハードカレンシーであるかは議論の分かれるところですが、一般的には米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフランの5通貨を指します。
メジャー通貨=ハードカレンシーは、信用度以外にも国際敵な銀行で取引が可能であり、あらゆる場所で換金できなければいけません。
これらの条件を満たさない通貨は、ソフトカレンシーと呼ばれ、いわゆるマイナー通貨と呼ばれるものです。
日本人に人気の高い豪ドル、NZドル、カナダドルなどは準メジャーといったところです。
流動性が高いメジャー通貨は、取引参加者が多く、売り手と買い手が常に市場に存在している、つまりはいつでも取引できる通貨です。
逆に言えば、マイナー通貨には値が付かない、売りたくとも売れない、買いたくとも買えない状態になる危険性がある通貨ということになります。
メジャー通貨同士の通貨ペアは値が付かないということはまずありませんから、そういった危険はないと考えて大丈夫です。
ですが、マイナー通貨を含む通貨ペアの場合はそうは行きません。
FX取引は基本的には24時間いつでも取引可能なのですが、マイナー通貨の中には、実際に値が付かずに取引が難しい時間帯もある通貨があります。
成行き注文は受け付けてはいるのですが、約定しないときというのは、マイナー通貨の場合は参加者がいない時間に起こります。
流動性に欠ける時間帯は値が飛んだり、スプレッドが瞬間的に大きく開いたりしますから、基本的には取引を行わないほうが安心です。
とはいっても、店頭取引は基本的には、常識的な範囲で自由に値が付きますから、その業者を使っている時間帯に相手方がいれば取引は成立します。
国際的にはマイナーであっても、日本のFX業者が売り手と買い手になってくれるので、どうしても売れないということはあまりありません。
ですがこういったマイナーな通貨ペアは、スプレッドが広くトレードするにはコストもかかります。
流動性のない通貨ペアの、さらに流動性のない時間帯に取引を成立させようとすればそうならざるを得ません。これは仕方のないことです。
マイナー通貨には、メジャー通貨の成熟した通貨にはない高金利な通貨も多く、魅力的なのも事実です。
ですが、主に投資による、実態経済とは乖離した取引が増えると、その通貨は危険になってきます。
マイナーな通貨が高金利なのは、その国がインフレ状態だからです。物価が上がっている最中だということです。
物価が上がりすぎると経済に悪影響をもたらすため、金利を下げたり、取引を制限したりせざるを得ないことになります。
これはそのまま、投資をする側にとってのリスクになります。
現在は150種類以上の通貨ペアを扱うFX業者もいます。
ですが、他の業者が取り扱わない通貨ペアは危険が高い通貨ということです。その危険を理解した上で取引に望む必要があります。