以前は世界の基軸通貨として君臨していた、英国ポンド。そのプライドゆえか、今もなおユーロ不参加の孤高の通貨、それがポンドです。
その中でも、ポンドと日本円の組み合わせであるポンド/円、GBP/JPYという通貨ペアはドル円と比較すると、
約2倍の変動幅があり、初心者が下手に手を出すと、あっという間にロスカットになる危険もある怖い通貨ペアです。
約2倍というのは最近の話で、以前はもっともっと激しかったので、以前に比べ、最近のポン円は穏やかだともいえます。それでもドル円の倍ですけれど。
ポンド/円は値動きが乱高下しやすく、またボラティリティが大きいことから殺人通貨、あるいはジェットコースター通貨などとも呼ばれています。
ボラティリティとは変動率のことです、ボラティリティが大きいとは値動きの幅が大きいということです。
よくボラリティと省略されていますが、同じ意味です。そもそもGBP/JPYには、3年間で100円近く上がったり、2年間で100円近く下がったりとハンパない歴史があります。
仮に3年間で100円レートが上がったときに、上手く勝っていた人がいたとすると、その為替差益による利益は一万通貨で100万円、10万通貨で、一千万円となった計算になります。
上手く長期トレンドにのることが出来れば、その威力は凄まじいものがあります。
ですが、その威力は短期間で大きな利益を得ることが出来る反面、短期間で大きな損失を被る危険があります。
このように、値動きが大きい、というより激しいため、デイトレやスキャルピングの短期投資家に好まれやすいのがこの通貨ペアの特徴です。
ポンド/円という通貨ペア自体の需要はあまりありません。取引量は少なく、参加者も少ないので一気に動いたりします。
そして需要の割りに投機が多いため、値動きの幅が大きくなります。このため、金利は悪くないのですが、のんびりとスワップ投資派の人には全く向きません。
ポンド/円の評価は、真っ二つに分かれます。それは、禁断の箱、あるいは麻薬。
値動きが激しすぎて、危険が大きいため、絶対に手を出すなという人と、ポン円以外は値動きななくてつまらないという人。両極端です。
結果は栄華か零落か、一発逆転かそれとも破産かといったところでしょう。つまり、この通貨ペアに参入する人が望むものは、激しい値動きです。
それは投資というより明らかに投機です。それもギャンブルに近い投機です。それでも手を出さずにはいられない魅力があるということです。
ですが、損切りについて、まだ肝の据わっていない初心者が下手に手をだすと、一瞬で含み損が膨らんで、
どうしようかとパニックになってチャートを見守っている間に下手すればロスカットという破滅ルートもありえます。
もちろん肝の据わっていない初心者が、一瞬で含み益が出て、含み益に我慢できずにあわてて利確してしまう、小心者ルートもよくある話です。
ポンド/円という通貨ペアに手を出すのは覚悟がいります。
その覚悟とは、ちゃんと損切り出来るということ、つまりは資金管理が出来るということです。それが出来れば、あなたもポンド/円の魅力のとりこになるかも知れません。