ここではそちらでも少し説明したズワイガニの分類についての話をさらに詳しく見ていきたいと思います。
ズワイガニは「エビ目カニ下目クモガニ科」の分類になりますが、この分類名に入っている「クモガニ科」について深く掘り下げていくことにします。
ズワイガニはもちろんカニの仲間ですが、分類としてはクモガニという名称になっています。このクモガニというのは、ズワイガニの別名です。
あまり聞き慣れない名称かもしれませんが、聞いたことがある方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
ズワイガニはクモのような細く長い脚を持っていることから、クモガニとも呼ばれているのです。そのため分類も「クモガニ科」ということですね。
もちろんズワイガニの仲間である「紅ズワイガニ」も、クモガニ科のカニに分類されます。
ズワイガニと紅ズワイガニとは味に大きな差がありますが、分類としては同じクモガニとなっています。
紅ズワイガニについては【どっちが美味しい?ズワイガニと紅ズワイガニの味の違い】で詳しく紹介していますので、紅ズワイガニについて知りたい方はそちらをご覧くださいね。
そのほか、クモガニ科に属するカニとしては「タカアシガニ」なども挙げられます。皆さんはタカアシガニというカニを知っていますか?
タカアシガニは最も古い種類のカニで、よく「生きている化石」と呼ばれるカニでもあります。
本物のクモのように細く長い脚を持っていることが特徴で、比較的脚の長いズワイガニと比べてもその差は歴然です。
まるで大きなクモのような見た目をしているタカアシガニは、多くの「節足動物」の中でも世界最大級と言われています。
ちなみに節足動物とは、かたい甲殻と関節を持った生物の分類になります。昆虫、甲殻類、鋏角類、多足類の4つに分類されています。
タカアシガニはズワイガニと同様に食用のカニですから、食べる機会もあるかと思いますので、
同じクモガニ科であるズワイガニとの違いを比べながらタカアシガニを食べてみても良いかもしれませんね。
このようなズワイガニやタカアシガニが属するクモガニ科のカニに対し、タラバガニはタラバガニ科、毛ガニはクリガニ科、といったようにカニの種類それぞれで属している科も異なっています。
世界にはそれは多くの種類のカニが存在していますが、クモに近いかたちを持っているカニとしては、ズワイガニやタカアシガニくらいなのです。
では、ズワイガニとクモには実際にどんな関係性があるのでしょうか?
クモガニ科という名称もあるくらいですから、何か深い関係性があるように思われがちですが、ズワイガニとクモはまったくの別種となっています。
ズワイガニとクモは大きく分けると、先ほど少し紹介した「節足動物」と呼ばれる分類に属することになりますが、
さらに細かい分類によるとズワイガニは「甲殻類」クモは「鋏角類」に属することになるので、ズワイガニとクモには節足動物である以上の関係性は見られていません。
「ズワイガニはクモ科」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、ズワイガニはズワイガニ、どこをどう取ってもカニの仲間です。
ズワイガニはクモガニ科であることに間違いはありませんが、ズワイガニはクモの仲間というわけではなく、
あくまでもクモに似ているかたちを持ったカニの一種という認識が正しいのでよく覚えておきましょう。