淋病が不妊に繋がることも

性行為感染症のひとつ、淋菌感染症は、女性が感染した場合、自覚症状が出ることが少なく、気が付かないままでいると、不妊にまで発展してしまうかもしれない病気です。

最近では、性行為の多様化や不特定多数の人との性交渉を持つ人の増加で、この淋菌感染症は、若い人達の中に感染者を増やしています。

女性がこの淋菌感染症に感染すると、淋菌性子宮頸管炎となって現れます。

主な症状は、粘性ある膿状の分泌物ですが、多くの女性は自覚症状がないので、感染していることに気が付かないまま、淋菌感染症の感染源となってしまいます。

このように、感染に気が付かないまま放置すると、淋菌は、膣→子宮→卵管→骨盤内の順に進行して、最悪の場合には、骨盤内で腹膜炎を起こすという大変な結果になってしまいます。

ここまで病状が進んでも自覚症状がない場合もあるそうですが、淋菌感染症に感染した女性の約1〜2割に骨盤内腹膜炎が発症すると考えられています。

骨盤内腹膜炎に罹ると、約5割以上に発熱、下腹痛、卵管や卵巣の圧痛が起こります。

ここまで来てしまうと、卵管狭窄や卵管閉鎖を引き起こす場合もあり、その結果、卵管に重大な障害をもたらすことになってしまいます。

これが、不妊症へと繋がってしまうかもしれないのです。また、心配なのは不妊症だけではありません。

もし、妊娠したとしても、子宮外妊娠になってしまう可能性があります。子宮外妊娠は、命にもかかわる、とても危険なものです。

淋病は市販の薬で治療できるの?

今から数日前に、心当たりとなる性交渉があって、もしかしたら…という症状があるとしたら、すでに性行為感染症に感染しているのかもしれません。

特に、淋菌感染症に感染した場合、男性の場合でしたら、性交渉を持った翌日から違和感のある人がいるそうです。

性行為感染症というと、恥ずかしい…という理由から、何となく病院に行きにくい感じがして、

できることならば、他の人に知られることなく、市販の薬で治してしまいたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

淋菌感染症の場合、市販の検査キットを使って、感染しているかどうかを調べることはできます。

しかし、淋菌感染症を治す市販の薬というのはないのです。ネットなどで調べてみると、淋菌感染症の治療には抗生物質が有効…と書いてありますね。

そこで、家にあった、以前どこかで処方してもらった抗生物質を飲んでみる…などというのもよくありません。

中には、こうした服用で、症状が少し軽くなったように見える場合もあるようですが、治療とは程遠いものです。

抗生物質というのは、処方してもらった分は、すべて飲みきることで効果があるものですから、残っているということは、本当でしたらないはずのものなのです。

素人の判断や考えで、薬を服用してはいけません。

特に、淋菌感染症などの性行為感染症は、自分だけでなく、他の人にどんどんと感染を広げていく可能性のある病気です。一刻も早く、専門の医療機関で受診しましょう。