「頭痛ぐらいなら放っておけば、じきに治るだろう」と、頭痛を軽んじ、まず病院へ行く必要もないと考えていると思います。
確かに偏頭痛を含めて、頭痛は、命にかかわる危険性を伴う重篤な症状を引き起こすようなことは滅多にありません。
しかし、ごく稀に頭痛の症状が生命の危険を伴っていることもあるという事実を知っておかなければならないのです。
頭痛の中には放置しておくと危険なものもあり、早期に診断をしてもらうことが重要です。
「くも膜下出血」によるものや「脳腫瘍」によるものなどがその代表的なものですが、日頃、頭痛になったことがない場合に突然頭痛が起こった場合や、
頭痛がよく起こる人でも、いつもと違う頭痛の場合は、油断せず、また軽くみないで早期に医師に相談し、精密検査を受けることをお勧めします。
自己診断は危険ですが、最低限の知識として頭痛の種類と特徴くらいは知っておいても良いでしょう。
偏頭痛:ズキン、ズキンと拍動性の頭痛が起こるのが特徴
緊張型頭痛:緊張型頭痛は持続性のしめつけられるような痛みが起こるのが特徴
くも膜下出血の頭痛:ある日、突然に激しい頭痛が襲ってくる。これが特徴です。
なお、くも膜下出血でひどい発作の際には、突然、意識を失って倒れ、昏睡状態となってしまうこともあります。
くも膜下出血は放っておくと、命にかかわります。すぐに専門医の診察を受けることが大切です。
群発頭痛(ぐんぱつずつう):中年の男性に多い頭痛で、夜、寝てから1〜1時間半くらい経ってから、目から前頭部にかけての片側の激しい痛みが起こります。
痛みと同時に顔が赤らんだり、涙や鼻汁が出たりと言った自律神経症状を伴うのが特徴のひとつです。
発作自体は1時間位と短いのですが、2〜3週間、毎晩のように起こる特徴があるため、群発という名がついています。
偏頭痛に悩む人々
偏頭痛というのは、その痛みや症状を周囲の人に理解してもらえないというのが、大きな悩みだという声が多いと言います。
人にもよりますが、頭痛の前にいきなり目の前が貧血の症状に似た「チカチカ」や、バットで殴られたような激痛が走ったりする例も多いと聞きます。
「頭痛は死にそうなくらい痛くて、吐き気に悩まされるし、涙は出てくるし、薬飲んでもすぐには効かないし」で、本当に大変だという話もよく聞きます。
「偏頭痛と10年も付き合っていますが、さっぱりよくなりません。病院に行っても、いつもの薬が出てくるだけで根本的な治療はできないと医師が匙を投げている状況です。
鎮痛剤を飲むと多少緩和されるので常備してはいるのですが、その場しのぎにしかなりません。旅行に行っても、いつ頭痛が来るかと心配であるため心から楽しめません。
日頃も、痛みに対して不安な気持ちが、いつも心のどこかで引っかかっているために、仕事のことや家庭のこと、そして趣味にいたるまで、人生をエンジョイするなんて偏頭痛患者には、とんでもないことです」
と、このような感想を寄せてくれた人もいます。
また、ある女性で「だいたい私は生理痛も酷いので、薬がないと血の気が引いてしまうのです。あまりにも痛くて、気絶するかと不安になってしまうくらいです。偏頭痛が来ると死にたくなります」と心中を語ります。
仕事中に偏頭痛に襲われたとき、忙しい日だったので、『頭割れそうなくらい痛いので帰ります』とは言えず、1日中泣きそうになって仕事をしたという話や、
「頭が痛い」と訴えても、「たかが頭痛」という程度にしか周囲は思ってくれないという諦めにも似た話など、
偏頭痛にかかったことのない人には理解してもらうことが難しいという患者さんの声が圧倒的に多いのです。
たかが頭痛、されど頭痛。偏頭痛患者にはとても悩み深い深刻な病気と言えるようです。