エルゴタミン製剤は血管収縮作用によって血管の拡張を抑制する偏頭痛治療薬です。前兆の時期や頭痛のごく初期に服用すると高い効果が得られると言います。
頭痛が起こる30分〜数時間前に前駆(ぜんく)症状(=病気の起こる前兆として現れる症状)が現れます。
これは、約25%の人が経験すると言われます。視力、感覚、バランス、動作などに一時的な異常が現れるもので、発作前に強く起こります。
視野の中にキラキラ光るジグザグな線が現われ、視野の片側あるいは中心部が見えにくくなる「閃輝暗点(せんきあんてん)」という症状や、半身にしびれや脱力感を感じるなど症状が現れる人もあります。
病院で薬を処方してもらっても、飲み方が悪いと折角の薬も効果がありません。
痛みがひどくなるまで我慢して、いよいよ我慢できない段階が来てから服用しても、あまり痛みを抑えることが出来ないので気をつけなければなりません。
基本は痛み始めに服用することです。例えば血管拡張予防薬は、飲むタイミングが遅いと効果がないばかりか、吐き気がひどくなったりします。
ですから、片頭痛の前駆(ぜんく)症状が来たら薬を飲む、前駆症状がない人は痛み始めたら直ぐ飲むのが有効です。
血管拡張予防薬に加えて鎮痛薬か消炎鎮痛薬を処方されたときは、痛み始めに鎮痛薬をのみ、それでも痛みが強くなったら、消炎鎮痛薬を飲むとよいでしょう。
飲み過ぎるのも良くありません。処方薬も、市販薬も、飲み過ぎると、だんだん効き目がなくなり、偏頭痛がさらに慢性化してしまうおそれがあるためです。
痛くなるのではと少しでも心配になると、頭痛が起こらなくても、予防的に薬を飲む人がいますが、
それが度重なって毎日飲むようになると、偏頭痛がさらに慢性化し、毎日のように頭痛が起きるようになってしまいます。
頓服薬を上手に使用する
偏頭痛が起こったときは、バファリンやイブ・ナロンエースなどの市販されている頭痛薬を服用してみましょう。
まずは、このような一般的な頭痛薬の効果を試してみるのも悪くありません。市販の頭痛薬が効かない時には、トリプタン系と呼ばれる薬を飲むことが勧められます。
この薬は、偏頭痛にとてもよく効きますが、市販はされていませんので、病院で医師に処方してもらうようにしましょう。
片頭痛の発作時に使われる薬は、
セロトニン作動薬(医師の指示・処方箋が必要です)
鎮痛薬(市販薬もあります)
制吐薬(医師の指示・処方箋が必要です)の三種類です。
セロトニン作動薬 (処方箋が必要です)
神経伝達物質セロトニンに作用して片頭痛を鎮める薬です。(セロトニンとは「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」と並んで、三大神経伝達物質の一つです。
精神面に大きな影響与える物質で、セロトニンが不足すると、うつ病などの精神疾患に陥りやすいと言われています)
エルゴタミン製剤
(薬品名:カフェルゴット、クリアミンなど)と新薬のトリプタン製剤(薬品名:イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、マクサルト)があります。
鎮痛薬
非ステロイド性消炎鎮痛薬(アスピリンなど)、ピリン系鎮痛薬(イソプロピルアンチピリンなど)、非ピリン系鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)の3種類があります。
制吐薬(吐き気止め)
ナウゼリンやプリンペランがあります(処方箋が必要です)。
鎮痛薬と制吐薬を併用すれば、薬の吸収を高め、鎮痛薬の効果を増強します。