コエンザイムQ10とは

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これは生体中に広く分布することからユビキノンともいわれ地球上の全ての生体にとって欠かすことの出来ない重要な物質です。

人間では10個のイソプレン単位を有することからコエンザイムQ10と呼ばれます。

同様にラットではコエンザイムQ9,またバクテリアなどの微生物ではコエンザイムQ8を持っています。

このコエンザイムQ10は人間の体内で成合成され、また食事などからも摂取されます。

コエンザイムQ10研究の歴史

コエンザイムQ10はミトコンドリア機能に深く関与するため心筋機能の改善が期待できます。事実日本では1974年から心筋代謝改善薬として用いられてきました。

一方で欧米ではサプリメントとして利用され、最近では心臓病や神経疾患などに対する大量投与の効果の研究が盛んになってきています。

こうした背景のもと2001年3月27日に厚生労働省医薬局はコエンザイムQ10を従来の医薬品から食品とする食薬区分リストの改正を通達しました。

こうして日本でもコエンザイムQ10をサプリメントとして利用できることになったのです。

コエンザイムQ10の働き

コエンザイムQ10は細胞中のミトコンドリアに多く含まれています。

生体が生きていくためにはエネルギーが必要ですが、そのエネルギーを生み出す直接の担体がATP(アデノシン3リン酸)と呼ばれる物質です。

したがって生体は生きていくために脂質や炭水化物などの栄養素を必要としますが、それらは細胞中でATPを合成するための燃料となります。

コエンザイムQ10はこのミトコンドリア中でこれらのたんぱく質複合体間で電子を運ぶいわば渡し舟のような役目をします。

したがってコエンザイムQ10が多いほど電子の受け渡しがスムーズに行くこととなり、その結果ATPの合成がより活発になることが予想されます。

またコエンザイムQ10のもう一つの重要な働きに抗酸化活性があります。

したがって還元型コエンザイムQ10はまさに最前線で酸化ストレスから生体を防御しているといえます。

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減少する体内のコエンザイムQ10

いずれの臓器でもコレステロールは高齢化にともなって増加しますが、一方でコエンザイムQ10は20才代をピークに顕著に減少します。

特に80才代の心臓や肺では20才代の半分の濃度しかありません。加齢にともなって減少するのは臓器だけではなく皮膚でもコエンザイムQ10が減少することがわかりました。

コエンザイムQ10の減少はなにも加齢にともなうものばかりではありません。 

コエンザイムQ10のサプリメントは必要か

このようにコエンザイムQ10は人間にとって必要不可欠な物質であると同時に加齢などの要因で減少してしまうやっかいな物質です。

そしてこれほど顕著に減少してしまう物質は他にありません。

そこで現在はこの人間のエネルギー生産や高酸化防御における必須因子であるコエンザイムQ10の加齢による減少と老化の進行との関連性が議論され、コエンザイムQ10の減少を抑制できれば老化もある程度防げるのではないかと考えられています。

しかし体内のコエンザイムQ10がなぜ減少してしまうのかということについてはまだ正確には分かっておらず、今のところは食事などでコエンザイムQ10を補うことでしかその減少を食い止めることはできません。

コエンザイムQ10はイワシやブロッコリーなど様々な食材に含まれていますが、その含有量は決して多くありません。

例えば1匹のイワシには約5mgのコエンザイムQ10が含まれています。人間の最適なコエンザイムQ10の摂取量と言うのは個人差がありますが、健康な人でも1日に100mgは摂った方がよいとのことでした。

そうすると、これだけのコエンザイムQ10を摂取するには1日にイワシを20匹も食べなければなりません。

イワシ好きな方ならば不可能ではないかもしれませんが、これを毎日ともなると一般の方にはまずもって出来ることではありません。

そこで適当なコエンザイムQ10のサプリメント剤が必要となってきます。

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