コエンザイムQ10の効果・効用

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コエンザイムQ10の体内動態

摂取されたコエンザイムQ10は小腸から吸収されます。

その後リポタンパク質の一種であるキロミクロンという油の粒の中に入ったコエンザイムQ10は血流に乗って肝臓へと運ばれていきます。

肝臓で吸収されたコエンザイムQ10は今度はLDL(低密度リポタンパク質)やVLDL(超低密度リポタンパク質)に組み込まれ再び血流に乗って全身へと運ばれていきます。

人間にコエンザイムQ10をサプリメントすると血漿中のコエンザイムQ10濃度は上昇することが分かっていますが、その後、他の臓器へどの程度入っていくかということについてはまだはっきりとは分かっておらず今後の発展が望まれます。 

コエンザイムQ10の効用が期待される症状

先ほどご紹介したスタチン投与に対するコエンザイムQ10の心臓機能改善効果の他に、様々な神経疾患に対してもコエンザイムQ10の投与による症状の改善が報告されています。

パーキンソン病は中脳の黒質で作られるドーパミンという物質が減少し神経伝達がうまくいかず身体の動きにふるえや麻痺などがでる病気です。

1996年に米国アトランタで行われたオリンピックの開会式の聖火リレーでプロボクシングの元世界ヘビー級チャンピョンのモハメド・アリが登場し、その病み衰えた身体で聖火に点火し世界中の感動を呼びましたが、彼は現在もパーキンソン病と戦っています。

また映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などで活躍した俳優のマイケル・J・フォックスや女優のキャサリン・ヘップバーンなども罹患し、米国だけで100万人もの患者がいると言われています。

ラットによるパーキンソン病のモデル実験ではコエンザイムQ10の経口投与でドーパミンの減少を抑制できることが報告されていましたが、

つい最近人間のパーキンソン病患者に1日1200mgのコエンザイムQ10を投与したところ約8ヶ月を過ぎたあたりから運動能力などに改善がみられたとの報告がなされました。

今後の展開に大きな期待が寄せられています。筋萎縮性側索硬化症はなんらかの要因で運動神経が退縮し、それにともない筋肉組織が萎縮して全身に麻痺がおこる病気で進行すると死に至ります。

米大リーグのルー・ゲーリックがこの病気で亡くなったことからルー・ゲーリック病ともいわれ、現在では英国の宇宙物理学者スティーブン・ホーキングがこの病気に苦しんでいます。

ラットを使ったモデル実験ではコエンザイムQ10の経口投与が筋萎縮の進行を抑制し同時に生存率を向上させることが報告され、人間への応用が期待されています。

この他ハンチントン病などの神経疾患にもコエンザイムQ10の投与が効果的であるとの報告もあり、今後ますますこのような応用例が増えるであろうと思われます。

また以上のような神経疾患の他にも病中病後、中年期からの倦怠感、記憶力や集中力の低下、そして疲労や二日酔いなどからの回復といったものにも効果があると考えられます。

効果の現れ方は人それぞれですが健康な人でもその効果は実感できると思います。

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コエンザイムQ10サプリメントの実用例

日本ではまだ認可されたばかりということもあり、サプリメントの服用例はさほど多くはありませんが、それでもプロスポーツ選手などを中心に徐々に拡がりつつあります。

一方で欧米では一、二を争う人気サプリメントです。米国メジャーリーグのノーラン・ライアン投手は世界最速の速球投手で最多奪三振など数々の輝かしい記録の持ち主です。

また彼が偉大な選手であったのはその記録だけではなくその選手寿命が非常に長かったことでもあり、なんと46才で引退するその直前まで時速100マイル(時速160km)近い豪速球を投げていました。

彼の選手としてのライフスタイルは米国のみならず日本の野球界でもバイブルとしてたくさんの選手が参考にしています。

そしてその彼が肌身離さず愛用していたサプリメントがこのコエンザイムQ10なのです。

ライアン投手はその強い意志、緻密なスケジュールに則ったトレーニング、そしてコエンザイムQ10のサプリメントで老化という自らの肉体の衰えと戦い、それに勝利したと言えるでしょう。

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