血圧は、血液が流れるときに血管を押し広げる圧力のことで、その押し広げる力が最も強いとき(最大血圧)と最も弱いとき(最小血圧)があります。
この両方の数値が慢性的に正常値より高くなってしまっている状態が「高血圧」です。WHO(世界保健機関)ではその基準値を以下のように決めています。
正常:最小血圧〜80 mmHg・最大血圧〜135 mmHg
境界高血圧:最小血圧80〜90 mmHg・最大血圧135〜140 mmHg
高血圧:最小血圧90 mmHg〜・最大血圧140 mmHg〜
※いずれか一方でも基準値を超えている場合、「高血圧」となります。
※最小血圧が高い高血圧は悪性高血圧のリスクが高いので注意が必要。
原因は、以下の5つが挙げられます。
1、「塩分の摂りすぎ」
特に日本人の場合、このタイプが多いそうです。食塩の摂りすぎは「高血圧への最短距離」ですので、意識的に塩分を控えることが大切です。
2、「肥満」
肥満はほとんどの生活習慣病の一因となり得ますが、高血圧も例外ではありません。
また、このケースで厄介なのは、肥満の場合、降圧剤が効きにくく苦労することが多いと言われていることです。
3、「寒さ」
いわゆる「ヒートショック」と呼ばれるもので、暖かい場所から寒い場所へ行くと急激に血圧が上がることがあります。
冬場などはトイレ・脱衣所・浴室などへ行くときは注意が必要です。
4、「ストレス」
ストレスは血圧に多大な影響を及ぼします。
一時的なストレスならまだしも、それが慢性的になってしまうと血圧も高いまま下がらなくなってしまいますので、
性格的な面も含めて、リラックスや気分転換などを行うことで、ストレスを溜めないことが大切です。
5、「遺伝的体質」
両親が揃って高血圧の場合は60%、片方の場合は30%の確率で、子どもに「高血圧になりやすい体質」が遺伝すると言われています。
ただし、あくまで「体質が似る」ということで「高血圧」という病気が遺伝するわけではありません。
◆「高血圧は“沈黙の殺人者”」
高血圧は自覚症状がないため安易に考えがちですが、「沈黙の殺人者」と呼ばれるほど死と直結した病気です。
実際、日本人の死因の2位「脳血管疾患」と3位「心臓病」は、高血圧によるものです。
したがって、1位の「ガン」と比べても、31%(脳血管疾患15.9%+心臓病15.1%):28.5%と、実は最も危険な病気なのです。
また、脳や心臓だけでなく腎臓にも悪影響を及ぼします。
カリウム、カルシウム、マグネシウムをバランスよく摂ることが大切ですが、特にカリウムの摂取量が非常に少ないので、十分に補給してください。
カリウムには細胞内に溜まっているナトリウムを腎臓から尿中に追い出す作用があります。
※ただし、腎不全の人は高血圧でもカリウム摂取は控えてください。