科学がつきとめた「運のいい人」要約
著者: 中野信子
1. はじめに
今日の授業では、運について科学的に説明し、どうすれば運を良くすることができるのかについて考えていきます。まず、皆さんに質問します。自分は運があると思う人は手を挙げてください。なぜそう思うのか、具体的な理由を教えてください。次に、運がないと思う人も手を挙げてみましょう。それぞれの理由を聞くことで、運に対する捉え方の違いを考察することができます。
2. 運の平等性
最初に覚えておいてほしいのは、運は誰にでもほぼ平等に与えられるということです。運は特定の人だけに訪れるものではなく、全ての人に平等に訪れるのです。例えば、コインを1000回投げた場合、結果は表と裏の出る確率が50%に近づきます。これが示すのは、長期的には運の数はみんな同じであるということです。短期的には運の良し悪しが偏ることがあっても、長期的には平等なのです。
さらに、これを具体的な生活の場面に当てはめてみましょう。例えば、宝くじに当たる確率や、交通事故に遭う確率も、誰にでも同じように訪れます。つまり、運というものは、一時的な出来事に過ぎず、それが長期的に見てどのように影響するかは個人の捉え方次第なのです。
3. 運を捉える方法
物事の捉え方の違い
運がいい人と運が悪い人の違いは、物事の捉え方にあります。運がいい人は物事をプラスに考えることができ、運が悪い人は物事をマイナスに捉えてしまいます。この違いが、運が良いか悪いかの感覚に大きな影響を与えるのです。運は目に見えないものであり、捉え方によって運が良かったと思えることもあれば、逆に運が悪かったと思えることもあります。
実際の例
具体的な例を挙げてみましょう。例えば、ある人が三連休の間に風邪をひいて遊園地に行けなかったとします。この人は遊園地に行けなかったことを「運が悪い」と感じるかもしれません。しかし、もしその遊園地で大きな事故が起きていたとしたらどうでしょう?その場合、風邪をひいて行けなかったことは「運が良かった」と捉えることができます。つまり、同じ出来事でも捉え方次第で運が良いとも悪いとも感じられるのです。
また、就職活動の最終面接で落ちた場合を考えてみましょう。運が良い人は「これはもっと自分に合った職場が見つかるためのチャンスだ」と前向きに捉えます。一方、運が悪い人は「自分は運が悪いから落ちたんだ」とネガティブに捉えてしまいます。このように、物事の捉え方が運の良し悪しを大きく左右するのです。
4. 幸運を引き寄せるための行動と考え方
自分を大切にする
自分を大切にすることは、運が良くなったと感じるための第一歩です。これは健康的な食事を摂り、きれいな服を着て、見た目を整えることを意味します。自分を大切にし、見た目を整えることで、他人からの評価も変わってきます。ボロボロの服を着て、髪もボサボサ、ひげも剃らずにいる人が、周りから大切に扱われることはありません。結果として、運が悪いと感じることが増えてしまいます。
具体的には、健康的な食事を摂ることで体調が良くなり、活動的になれます。また、清潔感のある服装をすることで、他人からの印象も良くなります。これにより、周囲の人々からの好意的な反応が増え、人間関係が良好になり、結果的に運が良くなったと感じる機会が増えるのです。
自分は運がいいと思い込む
運がいい人は自分は運がいいと思い込む癖があります。この「思い込み」が非常に重要です。例えば、就活の最終面接に落ちたとき、運がいい人は「自分は運がいいから落ちた。もっと良い機会があるはずだ」と前向きに捉えます。一方、運が悪い人は「自分は運が悪いから何をやってもダメだ」と考え、行動を止めてしまいます。この違いが大きな差を生むのです。
さらに、声に出して「自分は運がいい」と言うことが効果的です。脳は思考と発言を通じて強く記憶します。ポジティブな言葉を口に出すことで、その言葉が脳に深く刻まれ、実際にポジティブな行動や結果を引き寄せるようになります。これは自己暗示やアファメーションと呼ばれるもので、心理学的にも効果が認められています。
他人を思いやる
運は人が運んでくることが多いです。自分だけ得をしようとするのではなく、他人を思いやることで、良好な人間関係を築くことができます。他人を思いやることで、相手からも思いやりを受けることができ、それが結果的に運が良いと感じることにつながります。
例えば、宿題を友達と見せ合うことで、お互いに助け合うことができます。これと同じように、日常生活においても他人を助けることで、自分が困ったときに助けてもらえる可能性が高まります。実際に、京都大学の藤井聡(さとる)氏の研究でも、他人に配慮できる人ほど運がいいという結果が出ています。ですから、まずは家族や友人、クラスメイトなど身近な人々に対して配慮することから始めてみましょう。
目標や夢を明確にする
運がいいことと、それをキャッチできることは別です。運を掴むためには、常に自分の夢や目標を明確にしておき、実力をつけておくことが重要です。具体的な目標や夢を持ち、それに向けて努力を続けることで、運が訪れたときにそれを活かすことができます。
例えば、ハリウッド映画に出演することを夢見ている場合、演技の練習を続け、英語を学んでおくことが必要です。ある日突然、ハリウッド映画に出演するチャンスが訪れたとしても、準備ができていなければそのチャンスを逃してしまいます。だからこそ、日々の努力が重要なのです。
また、具体的な目標や夢を持つことで、日常の中でチャンスを見つけやすくなります。夢や目標が明確であれば、それに関連する情報や機会に敏感になり、運を引き寄せることができるのです。例えば、ある企業で働くことを目標にしている場合、その企業の情報を常にチェックし、就職活動の際に有利な情報を得ることができるでしょう。
5. 結論
運というのは平等に与えられるもので、それをどう捉えるか、どう掴むかは自分次第です。運を引き寄せるための具体的な行動と考え方として、自分を大切にし、自分は運がいいと思い込み、他人を思いやり、目標や夢を明確にして実力をつけることが重要です。運は今もあなたの周りで発生しています。それを見逃さず、最大限に活かすための準備を怠らないようにしましょう。
運は誰にでも訪れますが、それを活かすためには日々の努力と前向きな考え方が必要です。自分の運をコントロールするために、今日学んだ4つの行動と考え方を実践してみてください。きっと、あなたの運命は良い方向に向かうでしょう。