『チーズはどこへ消えた?』要約
著者: スペンサー・ジョンソン
はじめに
今回ご紹介するのは、スペンサー・ジョンソンの名著『チーズはどこへ消えた?』です。この本は変化の大切さを分かりやすく説明したものです。まず、みなさんに質問します。ここ3日間で何か新しいことを始めた人はいますか?誰しも変化を恐れるものです。新しい歯医者に行くのも、新しいお店に行くのも、初対面の人と会うのも不安があるでしょう。拒絶されたらどうしようとか、話が合わなかったらどうしようとか、人間は誰しもそういった悩みを持っています。できれば自分の知っている安全な場所から動きたくないのが本音でしょう。しかし、変化しなければもっと怖い目に遭うことを知っていればどうでしょうか。
変化の重要性
ダーウィンは「唯一生き残ることができるのは変化できるものである」と言いました。この本はその変化の大切さを物語っています。では、物語を読み進めていきましょう。
むかしむかし、あるところにネズミと小人がいました。彼らは迷路でチーズを探し回っていました。「いったいどこにチーズがあるんだろう」「早くチーズを食べたい」と言いながら、ネズミも小人も何日も何日もチーズを探し回りました。そしてついに、大量のチーズを発見しました。ネズミたちはこのチーズにありつき、幸せな日々を送りました。毎日、自宅からそのチーズまで歩いて通うようになりました。しかし、ある日、チーズの場所まで歩いて行くのが面倒になり、チーズの近くに引っ越すことにしました。彼らは、ここにいれば飢えることもなく、安定した人生を生きられると信じていました。
変化に対する拒否
しかし、1年後、チーズがなくなってしまいました。彼らは驚き、「チーズはどこへ消えたんだ?」と困惑しました。ここで、ネズミは新しいチーズを探しに行きましたが、小人たちは動こうとしませんでした。「新しいチーズが見つかる保証なんてないし、ここにまたチーズが出てくるのを待っていた方がいい」と考えました。しかし、次第に、彼らはチーズが古くなってカビが生えてきていたことに気付きました。「もっとちゃんと見ていれば、チーズがなくなることを予測できたかもしれない」と後悔し、新しいチーズを探しに行く決心をしました。
自分から変化を起こす
このエピソードで学ぶべきことは、変化は自分から起こすものであるということです。変化せずに待ち続けていると、いずれ新しい変化を起こす時間や体力がなくなってしまいます。次の章に進みましょう。
小人はついに家を離れ、新しいチーズを探す旅に出ました。最初は恐怖に打ち勝つのが大変でしたが、次第に旅で起こる変化が楽しいと感じるようになりました。「初対面の人と会うのが怖いのは最初だけ」「水風呂に入るのが怖いのは入る前だけ」と気づきました。恐怖に飛び込むと、いい気分になることもあります。
変化の楽しさ
この物語の教訓は、変化することで人生が楽しくなるということです。もちろん、変化すれば必ずいい結果が出るわけではありませんが、変化しなければより多くの喜びを手に入れることはできません。ある日、小人は新しいチーズを見つけ、その発見に喜びました。しかし、それ以上に、変化を受け入れ成長した自分に対する満足感が大きかったのです。
結び
この物語から学べるのは、人生における変化の重要性、そして過去にしがみつかない潔さです。みなさんもこれから様々なことがあるでしょう。例えば、いい会社に就職したのにクビになったり、いい彼氏を見つけたのに振られたり、分かり合えると思っていた友だちと疎遠になったり。しかし、私たちはその変化に適応しながら生きていくしかないのです。安定を求めるなら、同じ場所で同じことを繰り返すのではなく、とにかく変化していくしかありません。
一つ例を挙げると、一発芸人が再度ブレイクするのは変化した人だけです。同じことを繰り返していれば、いつか必ず終わりが来ます。それは、チーズが腐るのと同じです。だから、行き詰まったときは、この話を思い出してほしいのです。変化することの大切さ、変化してダメだったらもう一度変化するということを。