寒い季節になると、肌身に寒風がしみます。体の芯から温まる、そんな食事を取りたくなる気持ちは冬を経験したことある人ならば皆理解できることです。
家族で寄り添いあって暖かい鍋でもつつくところを想像すると、それはあたかも人間の幸せを象徴しているかのような構図であります。
そんな鍋には様々な種類があり、人それぞれ好みは異なります。ちゃんこ鍋、キムチ鍋、うどんすき、すき焼き鍋と数ある中でも、かに鍋が好きという方は少なくありません。
かには現在高級品で値段が上がっているにもかかわらず、年末年始になると皆が食べたくなる定番鍋となっています。
ではなぜついついかに鍋は食べたくなるのか?今回は、鍋の中でもかに鍋を選択してしまう理由を三つ取り上げて考えてみましょう。
① かに自身の持つ楽しみ方のレパートリーに富んでいるから
かに鍋はかにから出るアミノ酸に旨み成分が含まれ、お湯に浸した昆布から生まれるグルタミン酸によってより旨みを増すことになります。
これだけで十分に美味しくいただけるのですが、かに鍋の場合、後の雑炊でその旨み成分を存分に発揮します。さすれば、一度だけではなく、二度かにを楽しむことが可能です。
さらに、かにの甲羅のを残しておけば、鍋をした次の日の朝ごはんの御味噌汁に出汁を出すための具材として入れれば、二度だけではなく三度までも楽しむことが可能です。
② かにが高級食材でめったに食べられないから
かにの値段は現在高騰しています。原因は中国の経済成長による食糧需要の多様性からかにの供給量も増していること、ロシアのアラスカ海における乱獲、世界的にかにの漁獲量の制限などが挙げられます。
私たちがいつでも身近にかにを楽しめるという状況ではありません。
そう考えると、たまに鍋を食べるという方にとって、高級食材を使ったかに鍋は、その希少性から有り難がる、すなわち食べたいけどめったに食べられない食材として重宝され、かに鍋を食べたくなる気持ちを引き起こしやすいことになります。
③ 時期的に定番だから
かに鍋の時期と言えば冬です。中でも年末年始の需要は最も高く、私の知っているとあるかに通販会社では、年間の売上の八割が年末年始に集中するとのことです。
テレビやラジオ、新聞でもかに通販の広告が多く見られるのは御承知のことと思います。
ということは、年末年始に家族がそろい、皆でかに鍋をつつくというのがある種の習慣になりつつあると言えるのかもしれません。
かには調理法も様々で、時期が来るとついつい食べたくなる。
それがかに鍋を食べたくなる理由ですが、かにが大好き・毎日食べられるという方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
食べ物の楽しみ方は人それぞれですが、やはり冬に皆でつつくかに鍋が一番美味しく、一番幸せだと考えれば考えるほど思ってしまう次第です。