口から醸し出される香りが、常にさわやかな甘い匂いだったら、それだけで人から好感をもたれる事でしょう。
それに比べ口から腐臭を出している人が居るとそれだけで話す気も失せてしまいますし、人としてあまり近づきたく無い印象を受ける人も少なからずいるはずです。
しかし、今までは無臭だった人が臭い防止の商品などを使わず、甘い匂いを出す様になったのなら少し注意が必要かもしれません。
なぜならそれはケトン症(ケトーシス)と呼ばれる病気の症状かもしれないからです。
この病気は例えば糖尿病の人にみられます。
どういう過程でなるかといいますと、膵臓から出されるインスリンという物質の量が減少し、人間が生きていくために必要なブドウ糖をエネルギーとして吸収しにくくなると発症します。
ブドウ糖を吸収できなくなった体は、他の所からエネルギーを補おうとします。
その時に分泌量が増えるのがケトン体です。
これはアセト酢酸、ヒドロキシ酪酸、アセトンという物質の総称です。
このケトン体が脂肪をエネルギーとして燃焼させてくれます。
しかしケトン体が必要以上に人体に存在していると大変有害です。
ケトン体が人体に異常分泌されると脳の活動に支障がでて、最悪死に至ります。
このケトン体過剰分泌が起こるのは何も糖尿病だけでありません。
暴飲暴食、絶食、発熱、手術など体に何らかの負荷をかける事をすると分泌される事があります。
一過性のものであれば、激しい運動をした直後も分泌が多くなります。
このケトン症の諸症状としては、倦怠感、体重の急激な減少、そして今回取り上げている口臭です。
それも甘い匂いという病気に似つかわしくない香りで。
口が臭いという事で悩んでいる人は数多くいるでしょうが、口から甘い匂いがする事で悩む人はいないでしょう。
だからこそ見落とされやすい症状でもあります。
上に挙げたような症状がでたら病院に行きましょう。
食虫植物は甘い匂いで獲物を捕食します。
あなたが甘い匂いを漂わせ始めたら、それは病気にからめとられる寸前かもしれません。