Think clearly　シンククリアリー要約

著者　ロルフ・ドベリ

序論

『Think clearly』は、最新の学術研究から導かれた、より良い人生を送るための思考法を提供する大ベストセラーです。Part１に続き、現代社会を生き抜くための思考法を2つ紹介します。Part１では、「何でも柔軟に修正する」と「幸せを台無しにする要因を取り除く」という2つの思考法について学びました。今回は、これに加えて以下の2つの思考法について詳しく解説します。

本当に価値のあるものを見極めよう
自分と波長の合う相手を選ぼう

本当に価値のあるものを見極めよう

スタージョンの法則

最初の思考法は、「本当に価値のあるものを見極める」というものです。この思考法を一言で表すと、あらゆるものの90%はガラクタであるということです。これは「スタージョンの法則」と呼ばれるもので、世界に生み出されたものの90%には価値がないという法則です。

一見、極端な主張に思えるかもしれませんが、周りのものをよく観察すると、納得できる部分が多いです。例えば、広告の90%はくだらないもの、メールの90%は中身がない、ツイートの90%は無意味、ミーティングの90%は時間の無駄、人からの招待の90%は行かない方が良い、そして90%の人間はつまらない、という風に感じたことは誰でもあるでしょう。

この法則を知っているだけでも利点があります。それは、90%はガラクタだと認識している方が幸せだということです。なぜなら、自分が見るもの、聞くもの、読むもののほとんどを、罪悪感を持たずに無視できるようになるからです。私たちは、社会や教育を通じて、人間が作り上げてきたもののほとんどが価値のある大切なものだと教え込まれてきました。しかし、現実には多くのものが無価値であり、それに対して罪悪感を感じる必要はありません。

価値のあるものとガラクタを見極める方法

では、どうやって価値のあるものとガラクタを見極めれば良いのでしょうか？次のシンプルな指針に従うことができます。それは、「あるものが価値があるかどうか確信が持てないときは、それはくだらないものだ」ということです。本当に欲しいものならば、「これは価値があるのだろうか」と迷うことはないはずです。

具体的な例として、ショッピングをする際に、本当に必要なものかどうかを考えるとき、少しでも迷うようであれば、それは必要ないものだと判断できます。逆に、本当に必要なものであれば、迷うことなく購入する決断ができるでしょう。

この思考法を実践することで、自分の生活から無駄なものを排除し、価値のあるものだけに囲まれた豊かな生活を送ることができます。

自分と波長の合う相手を選ぼう

他人を変えられないという現実

次に、「自分と波長の合う相手を選ぶ」という思考法についてです。これは一見、当たり前のことのように思えるかもしれません。しかし、ドベリ氏はもっと過激なことを提唱しています。それは、信頼できる相手だけと付き合い、それ以外の人間を全て追い払ってしまえば非常に快適になるという考え方です。

性格の大部分は遺伝によって決定されるため、他人の性格を変えることはできません。たとえそれがパートナーや子供であろうと、本人が望まなければ性格は変わりません。論理的に説明しても、説得しても、相手の性格は変わらないのです。

私たちは恋人や家族に対して、論理的に説明すれば変わってくれると期待しがちです。しかし、現実には、相手の悪い癖は直らず、良い習慣も身に付けてくれません。そのことで怒りや失望を感じる人も多いでしょう。しかし、他人を変えられないという事実を認めることから始める必要があります。

波長の合わない人との関係を断つ方法

他人を変えられないなら、どうすれば良いのでしょうか？答えは、自分と波長の合う相手を選び、合わない相手との関係を断つことです。ドベリ氏が推奨する具体的な方法の一つは、毎年12月31日になると、一枚のメモ用紙に今後付き合いをやめたい人たちの名前を書き、それを一枚一枚もったいぶった仕草で投げ捨てるというものです。

これはシンプルな方法ですが、実際に試してみることで、自分にとって重要な人間関係を見直し、不必要なストレスを減らすことができます。他人を変えることはできませんが、自分の周囲の環境を整えることは可能です。自分に合わない人との関係を減らすことで、より快適な生活を送ることができるでしょう。

結論

2つの思考法のまとめ

本日のハイライトとして、以下の2つの重要な思考法を学びました。

本当に価値のあるものを見極めよう：
- あらゆるものの90%はガラクタであるというスタージョンの法則を理解し、価値のあるものだけを見極めること。
- 価値のあるものかどうか迷う場合、それは価値のないものであると判断するシンプルな指針。
自分と波長の合う相手を選ぼう：
- 他人の性格は変えられないという現実を受け入れ、信頼できる相手だけと付き合うこと。
- 自分に合わない人との関係を減らす具体的な方法として、毎年付き合いをやめたい人のリストを作成し、それを実行する。