MRIとは、正式には磁気共鳴画像装置と呼ばれるもので、磁場や電波を利用して体内の画像を撮影する検査のことを言います。
そのため、外部から見ただけではわからない、体内の様子を詳しく知ることができます。
似たような検査に超音波を使う方法もありますが、超音波検査よりもMRIの方がさらに詳しい結果を知ることができます。
さらに、機材を使用する際の音は少し大きいですが、痛みなどを伴うことは無い検査となっています。
子宮筋腫が疑われる場合、この検査を行うことによって、腫瘍の大きさや腫瘍ができている位置、腫瘍の状態などが詳しくわかります。
それによって、他の臓器を圧迫しているかどうかなど、子宮筋腫の状態だけではなく、子宮筋腫ができたことによる体への影響についても知ることができます。
そして、それ以上に大切なことがあります。それは、本当に子宮筋腫であるのかどうかを調べるという意味もあるということです。
子宮筋腫とはっきり診断されている場合は、子宮筋腫自体が子宮にできた良性腫瘍を指す病名であるため、悪性かもしれないと心配する必要はありません。
しかし、腫瘍ができていて、子宮筋腫の疑いがあるという段階では、まだそれが子宮筋腫であるとはっきりわかっているわけではないということになります。
そのため、調べてみたら実際には子宮筋腫ではなかったということもあり得ます。
腫瘍が子宮筋腫でない場合、ごくまれにですが、悪性のものであることも考えられるのです。
悪性の腫瘍の場合は、子宮筋腫ではなく子宮肉腫と呼ばれます。
子宮にできる腫瘍の多くは子宮筋腫なのですが、全体の4パーセント程度の割合で子宮肉腫の場合があります。
子宮筋腫と子宮肉腫は、出る症状も似ているため、症状などから判断することはかなり難しいと言えます。
そのため、きちんと検査をして、どちらであるのかはっきりさせる必要があります。子宮肉腫の場合は、一刻も早く治療を始めることが必要です。
逆に、子宮筋腫であるとわかれば、MRIの検査でわかった大きさや他の臓器への影響などをもとに、どのような治療をしていけばよいのか判断していくことになります。
そのため、MRIの検査で得た情報は、とても役立つと言えます。
子宮筋腫の疑いがあるという状態で受けるMRIには、以上のような意味があります。
そのため、検査を受けることになったら、忘れずに受診して、自分の状態を知るようにしましょう。