医療の現場で、医師や看護師とチームになって、いわば病院の屋台骨を支える医療クラーク。
幼い子供の成長を温かく見守り、慈しみ、育て、時に子育てに悩む保護者をも導く保育士。
どちらも、誇りを持って取り組める憧れの仕事であり、資格取得を目指す女性にとって人気の二大資格です。
どちらを目指すか迷って決められないアナタのために、この二つの仕事をちょっと比較してみましょう。
保育士は、かつて保母と呼ばれていました。現在でも女性の割合が多い職種です。
いわば母親代わりになって、保育園に子供たちを預かり、保育するのでそう呼ばれていました。
幼稚園が、文部科学省が所管する教育機関(=学校)であるのに対し、保育園は厚生労働省が所管する社会福祉施設です。
様々な事情で家庭での保育が難しい就学前の乳幼児を受け入れ、必要な環境の下で、適切な監護・保育を行うのが保育園であり、そこに働く保育士です。
保育士の資格は国家資格で、保育士になるには必ず必要なものです。
厚生労働大臣指定の養成学校を卒業するか、都道府県が実施する保育士試験を受けて、保育士資格を取得する必要があります。
また、実際保育士になるためには、都道府県に保育士登録をする必要があります。ちなみに幼稚園の先生(教諭)には、小中高校の先生と同様の教員免許が必要です。
幼稚園教諭の免許をもっていれば、保育士の資格試験で一部の科目の受験が免除されます。
(逆に保育士の免許を持ち、一定の条件をクリアすれば、試験を受けて幼稚園教諭免許を取得することもできます)。
一方、医療クラークの資格は民間資格で、これがなければ医療クラークの仕事ができないというものではありません。
各認定団体が、医療クラークの仕事を遂行するのに十分な知識と技能を保有する人物であることを、客観的に証明してくれる検定試験といったところでしょうか。
資格を取得するに当たって、学歴などの制限はありませんが、専門学校や短大、通信教育講座の医療事務コースを受講して、試験を受けて取得するのが一般的です。
保育士に比べると、取得しやすい資格だといえます。
医療クラークの仕事は、レセプト(診療報酬明細)作成など診療報酬請求業務を中心に、受付や会計など窓口業務や一般事務を担当します。
また、時には直接治療行為こそ行わないものの、医師や看護師の補助をすることもあり、現代のチーム医療の一翼を担う存在です。
病院は、時に人の生き死にに立ち会う厳しい現場ですが、やりがいのある仕事ですね。
では、一体どちちらを目指すのか。どちらも素晴らしい仕事で、並べてみただけでは決められないですよね。
自分の適性をよく考えて、あるいはその仕事に就いた自分を想像してみみると、判断しやすいでしょう。
それでも決められないあなたは…両方取得するというのはどうでしょう。
専門学校や短大の中には、二つの資格両方を取得できるカリキュラムを組んでいるところがあります。
これは、院内保育(看護師など病院職員の子供を、病院内の施設で24時間体制で保育する)を念頭に置いたカリキュラムです。可能性も広がりますね。