性病に感染していると、HIV感染のリスクが高まることをご存知でしょうか。
中でも、感染していることでHIV感染のリスクが高くなる性病として名高いのがクラミジアです。
クラミジアに感染している人は健康な人と比べると何倍もHIV感染の確率が高くなります。データによっては、その確率の差は数倍から数百倍というデータもあるほどです。
HIV感染者が、どんな性病と重複してHIVに感染しているかを調べたデータでもクラミジアは上位にランクインをしている性病なのです。
エイズ検査は保健所などで匿名で行うことができますが、同時に梅毒とクラミジアの検査も無料、匿名で受けることができるようになっています。
これは、たとえその時の検査ではHIVが陰性だったとしても、梅毒やクラミジアなどの性病に感染していれば、
その後HIVに感染するリスクが高いため、HIV感染予防のために行われるものです。
では、クラミジアなどの性病に感染していると、なぜHIVに感染するリスクが高くなるのでしょうか。
それは、クラミジアなどに感染することによって性器などの粘膜部に炎症が起きるためです。
HIVは感染力の弱いウィルスですが、炎症部からはHIVが侵入するリスクが高まります。
また、炎症を起こした場所には炎症を抑えようとしてリンパ球が集まってくるのですが、そのリンパ球の中にHIVが取り付く免疫細胞があるのです。
HIVからするとクラミジアなどによる炎症は、進入経路を確保できる上に増殖もしやすくなるという、とてもあり難い状況が生まれるということです。
そのため、クラミジアなどに感染しているとHIVの感染率は、健康な人の数倍からケースによっては数百倍まで跳ね上がってしまうのです。
性病は、女性の場合には不妊になってしまう場合があるなど、それでなくても恐ろしいものがたくさんあります。
HIVの他にも放置すれば命に関わるものもあります。これらの性病はHIVも含めて、コンドームを使って性交渉をすることで防ぐことができます。
正しくコンドームを使った性交渉を心がけるようにしてください。
エイズ検査の重要性については、これまで別の項目でも散々語りつくしてきたところですが、エイズ検査だけでなく、クラミジアのような性病についても定期的に検査をすることが大切です。
性病には自覚症状が少ないものも多く、感染の自覚がなければ、性行為のたびにパートナーに感染させる可能性があるということです。
もし、クラミジアなどの性病に感染していることが判明した場合には、HIVの感染リスクが高い状態にあったということですので、必ずHIV検査を受けて欲しいと思います。
また、性病の治療は恥ずかしがらずに、必ずきちんと行いましょう。
クラミジアなどであれば、あなたが感染していれば、パートナーも感染していると考えてほぼ間違いありません。
どちらか一方が治療をしても、パートナーが治療を行わなければ、何度でも感染するピンポン感染といわれる状態になります。治療はパートナーと2人で行うことが大切です。
パートナーに言い出しにくいということで、性病を放置したり、ピンポン感染を繰り返す人がいますが、性病はあなたが考えている以上に深刻で恐ろしい病だということをよく理解してください。