最近、歯磨き粉のCMなどを見ていてふと気づいたことがあります。
昔、歯ブラシや歯磨き粉のCMでは歯槽膿漏のことをよく言っていました。
完熟のトマトがさらに完熟になって、歯が抜け落ちてしまうかもしれない、という風に脅しめいたCMがあったように思います。
しかし最近のCMを見ても、歯槽膿漏という言葉はほとんど出てきません。
どちらかというと、歯周病という言葉のほうが多く出てきているのではないでしょうか。
なぜこんなことになったんでしょうか?
歯槽膿漏ではなく歯周病というようになった背景はどこにあるのでしょうか?
気になったので両者の違いを調べてみました。
すると意外なことがわかりました。
歯槽膿漏というのは歯周病の一部なのです。
つまり歯周病というのは歯の周りの病気全体を指します。
例えば誰もが経験したことがあるでしょうが、歯茎からの出血、これも歯周病の一部です。
他にも歯に膿が溜まってしまって腫れてしまうこともあるでしょうし、歯茎の広い範囲で腫れが出てしまうこともあります。
これらの歯茎が腫れる歯肉炎なども歯周病の一部です。
歯周病という言葉は広い範囲で捉えられており、歯肉炎や歯槽膿漏などもその一部であるというわけです。
じゃあ歯槽膿漏は?というと、実は歯周病でもかなり進行してしまったものを歯槽膿漏と呼べるのです。
歯の周りに膿が溜まってしまって、歯茎や骨が溶けてしまうことで、歯がぐらついてしまうこと、これを歯槽膿漏と言います。
だからCMの完熟トマトから歯が抜け落ちるのも、正しい歯槽膿漏なのです。
こう考えると、歯磨き粉を作っているメーカーとしては売り物をより幅広く売りたいという考えもあるでしょうから、
歯槽膿漏よりも幅広く多くの人がかかっている歯周病をターゲットにし始めたのかもしれませんね。