更年期障害を疑って受診した場合、医療機関に行ってまず受けるのが血液検査です。更年期症状を引き起こす、エストロゲン値が減少しているかを、血中濃度で調べます。
検査で測る、脳の下垂から出る卵巣刺激ホルモンと卵巣からでるエストロゲン数値が重要です。
この結果で、「プレ更年期」または「更年期」と診断された場合、いくつかの治療法の中から選択を迫られます。
まず一つめが、「ホルモン補充治療」です。乳がんなどのリスクを高めるとも言われ、人によっては受けられないこともあります。
ただ、効果が出るのも早く、「体調だけでなく、しわも軽減した。肌の張りも出てきた」という患者さんもいらっしゃいます。
他に、整体で治療するなどいろいろありますが、その中の体に優しい治療法として、漢方が挙げられます。
ホルモン補充治療は、そのひとの体調によって受けられない場合があります。
バランスを整えて不調を軽減していく漢方にとって、自律神経のアンバランスによって起こる更年期の症状の改善は得意分野です。
特に強い不快症状によって(自律神経系か、血流の悪循環か、水分代謝の落ち込みか)処方が違います。漢方薬局や専門家に相談するのが望ましいでしょう。
ドラッグストアで売られるサプリメントにも、漢方が含まれるものがあります。受診後に試してみるのもいいでしょう。
不調を感じたら受診することも大切ですが、若いうちからかかりつけの婦人科を持って一年に一回は定期検診を受けるといいでしょう。
エストラジオールを食事で増やす!メノポーズを改善する食品は?
メノポーズの症状があって毎日の食事からの改善を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで毎日の食事に取り入れやすい食品をいくつかご紹介していきたいと思います。
まずは「豆乳」です。
大豆食品でエストラジオールの数値を上げられるのは皆さん、ご存じだと思います。
女性ホルモンに近い大豆イソフラボンの摂取が目的ですが、サプリメントからの過剰摂取は危険です。
食事から摂るのが望ましい成分です。飲むだけでなく、料理にも加えやすく、味噌汁のコクを出すのに少量加えたり、豆乳入りのマヨネーズなど、工夫次第で取り入れられます。
次にご紹介したいのが、ザクロジュースです。
こちらも、女性ホルモン値を上げるといわれ、飲みやすいのが特徴です。
市販のもので気を付けたいのが、水で薄められていたり、他の果汁との混合飲料ですと、効果も半減してしまいます。濃縮還元した100%のものを選んでください。
更年期になると、以前とは体調が変わってきます。高脂血症や高血圧、動脈硬化のリスクも上がり、新陳代謝も落ちてきます。
そして、積極的にとっていただきたいのがビタミンEです。抗酸化作用や血流改善に効果があります。
主にコーン油やオリーブオイルなどの油脂類、ナッツなどの種実類、いくらやタラコなどの魚卵に多く含まれています。
特に毎日の食事に取り入れやすいのは、玄米でしょう。ご飯を炊く際、白米の2~3割の量を加えることで、継続してビタミンEを摂ることができます。
これらの栄養は、血行が悪いと体内に吸収されず効果を発揮できません。軽い運動などをして、血流をよくしましょう。
更年期の不調に加えて、治療というストレスが増えないように、毎日の食事でゆっくりでも体調を回復していけられるといいですね。