子供の頃おばあちゃんに柿を食べすぎるとお腹をこわすとか、体を冷やすと言われたものですが、大人になってわかったことはこれは事実だということです。
柿にはタンニンという成分が多く含まれています。
渋柿を食べると渋みを感じますが、これは渋柿に含まれるタンニンがタンパク質と結合して収斂作用を引き起こすからです。
これと同じことが柿を食べた場合に胃の中でおこり、胃がしゅうれんすることによりぜんどう運動が鈍くなり便秘をひきおこすのです。
渋柿はそのままでは到底食べることができませんから干し柿を作ります。
干し柿は甘く、渋みはありませんので、タンニンがなくなったと勘違いしがちですが、実際は固まったことにより渋みを感じなくなっただけです。
ですので、干し柿も大量に食べると便秘を起こしてしまいます。
その他にもタンニンを含む食品は多くあります。
私たちがよく口にする紅茶もタンニンを含みます。
紅茶のあの微妙な渋みがおいしさのもとですが、やはり飲みすぎるとよくありません。
ワインもタンニンを多く含みます。これはワインの主原料であるぶどうの皮や種に多く含まれ、熟成させるうちに溶けだします。
またワインを熟成させるためのオークなどの木の樽もタンニンを含みます。
しかし、一方でタンニンはワインを美味しくするためにはかかせないもので、ワインのコクや深みを生み出します。
しかし、やはり便秘中にはあまり大量に摂取することはひかえましょう。
このようにタンニンは便秘を起こしやすいと言ってもタンニンを含む食品はそれほど多くはなく、避けようと思えば難しいことではありません。
私が疑問に思っているのは、コーヒーはタンニンを多く含みますが、朝コーヒーを飲むと便意をもよおすということです。
矛盾しますが、なぜでしょう。
おそらく朝一番に摂取する水分は胃や腸を目覚めさせ、ぜんどう運動を活発にする働きがあるからなのかもしれません。