温厚で誰に対しても丁寧に接していた人が、閉経が近づくにつれて突然情緒不安定になり、意味もなく怒ったり泣いたり、感情をコントロールできなくなることがあります。
これは、何かが憑依してしまったわけではなく、ホルモンバランスの乱れが大きく関わっています。
ホルモンは人間の身体機能だけでなく、感情のコントロールも担っています。更年期にさしかかると、女性ホルモンの分泌量は減退します。
女性ホルモン、特にエストロゲンというホルモンは卵巣で製造されますが、更年期になって卵巣が衰え機能が低下すると、分泌量が減っていき、やがて作られなくなります。
全く作られなくなってしまえば安定しますが、まだ少し分泌されている時は体がなかなか適応せず、不安定な状態に陥ります。
この不安定な期間が「更年期」です。
この期間には感情をコントロールするホルモンのバランスが崩れ、それによって原因不明のイライラが引き起こされたりするのです。
では、更年期にはイライラしてもただ我慢して時が過ぎるのを待つしかないのでしょうか?答えは、NOです。
もちろん100%ではありませんが、うまく体に合えば、女性ホルモン(エストロゲン)を体に補充することでイライラを和らげることが可能です。
体内のエストロゲン濃度が上がることによって徐々に自律神経の乱れが改善され、体調がよくなり、気分が明るくなっていくことが期待できます。
このホルモン補充療法は、一般的に数週間ほどで効果が表れ始めますが、短期間で急にやめてしまうと、すぐに症状が再発してしまう可能性があります。
ホルモン分泌の量は増やせば溜まって安定する、というものではなく、慎重に調整していく必要があるのです。
医師と相談しながら適切にホルモンをコントロールすることで、原因不明のイライラを撃退し、穏やかな更年期ライフを送りましょう!