まずは、無職という定義ですが、これが以外に難しい問題です。そもそも、収入の有無で、職の有無が決まるわけではありません。
例えば年金受給者は年金収入があり、税金を納めていますが、法的には無職です。
また個人事業主は、まったく儲かっていなくても一応職があると見なされるわけですので、つまりは収入の有無で、職の有無が決まるわけではありません。
つまりfx専業者は、有職者でなければ法的には無職扱いになるということでしょうか。
……前置きが長くなりましたが、ここでは、公務員でも会社員でもフリーターでもない、fx以外に収入のない人の場合の確定申告について考えてみたいと思います。
最初に重要なのは、fxを行っている個人が被扶養者かどうかです。
この場合、基礎控除額である38万円以上の利益を上げてしまうと、扶養から外れ、申告する義務があります。
主婦や主夫の場合は、配偶者の健康保険の被扶養者として認められるのは、130万円以下の収入であることが条件となります。
130万円を超える場合は健康保険料や年金保険料を自分自身で支払わなくてはならなくなります。
扶養から外れたくなければ、保険料を抑えたければ、所得を低く抑える必要が出てきます。
そして、被扶養者ではなく、fxを事業として営んでいるといえる利益を上げている人の場合は、事業所得として納税します。
他に職がなく、fxの収入が、主たる収入であれば、これは間違いなく事業と言えるからです。
ただし本人が損失の繰越などの特典は受けられないと承知で、雑所得として申告したければ、事業所得ではなく、雑所得としての申告も可能です。
そして事業所得であれば、青色申告か白色申告を選択して確定申告することになります。
青色申告の場合は、事前の申請が必要となりますので、青色申告したければ、開業届けと申請書を提出しなければなりません。
開業届けは、自宅で事業を行う場合は、自宅の所轄税務署、事務所などを構える場合には、両方の税務署に届け出る必要があります。
そして、青色申告をしない事業所得は、必然的に白色申告することになります。
青色申告か白色申告には、それぞれメリットとデメリットがありますので、簡単に二つの申告の大きな違いをまとめてみましょう。
青色申告は事前に申請が必要で、白色申告は事前に申請する必要はありません。
青色申告は正規簿記での記帳義務があり、白色申告では事業所得が300万円以下なら、法律上は記帳の義務はなく、300万円以上であっても、簡易記帳でかまわいません。
青色申告は最高65万円の控除があり、3年間損失を繰越できる特典がありますが、白色申告にはこれがありません。この3点が最も違う点です。
青色申告が税金の面で有利なのは、言うまでもありませんが、必ず青色申告をしなければならない義務もありません。
初めての事業所得の申告で勝手が分からない上に帳簿もわからないようであれば、とりあえず白色申告でも問題はありませんし、
帳簿付けの時間が取れないので、会計事務所にまかせるような規模になるまでは白色申告でいいという考え方もあるでしょう。
どちらを選択する場合であっても、きちんと納税するという義務を守れば、個人の考え方で、好きなほうを選択してかまいません。