性行為感染症の中のひとつ、淋菌感染症ですが、最近では、淋菌が喉に感染するということが珍しくないようです。
さて、性行為感染症は、菌が感染した誰かと性交渉を持つことによって、性器に感染するのでは…?と思っている方も多くいらっしゃることでしょう。
ところが、口腔性交などの性行為の多様化により、喉にも感染するのですね。性器への感染率よりも、喉への感染率の方が高いとも言われています。
淋菌感染症が喉に感染した場合、自覚症状はほとんどないのだそうです。
もし自覚症状があっても、喉の軽い痛みと少し赤くなる程度。これでは、風邪だと思い込んでしまっても不思議ではありませんね。
また、性器には淋菌が感染していないのに、喉には感染しているという場合もあるそうです。
もし、喉に違和感があって、口腔性交などの思い当たる行為があるとしたら、淋菌が感染している可能性があります。
病院へ行くのが一番ですが、何かの事情ですぐに行けない場合には、市販の喉の淋菌検査キットで調べてみてはいかがでしょうか?
この検査キットは、最短で、検体到着日の翌日夕方には判定が出ます。ただし、喉からの検体の採取は、通称「のどちんこ」の奥から採取しなければなりません。
奥までしっかり綿棒が届いていない場合の採取では、正確な判定ができません。お気を付けくださいね。
淋菌が目に感染したら
淋菌は淋菌感染症の原因となる菌ですが、この菌が目に感染して淋菌性角結膜炎を引き起こすことがあります。
淋菌感染症といえば、性行為感染症のひとつとして知られていますが、目にも感染することもあるのですね。
それでは、どのように感染するのでしょうか?
淋菌感染症に罹っている人と接触すること、また、淋菌の付着した手指で目を擦ること、淋菌が付着したタオルなどで顔を拭いたり、目を擦ることなどで感染します。
直接、手指でこすらなくても、感染する可能性もあるのだそうです。
感染した場合の症状は、目の腫れ、充血、膿のような目やにが出ることです。この症状を放っておくと、角膜に穴があいて、失明に繋がる恐れがあるのだそうです。
これを裏付けるかのような症例が記された文献を見つけました。21歳の男性の症例でしたが、
2週間ほど前から、膿の分泌を伴う排尿時痛があり、泌尿器科を受診した結果、淋菌性尿道炎と診断される。
この症状が出現した4日後から、左眼の目やに、流涙が出現し、翌日より瞼が腫れてきたので眼科を受診し、抗生剤点眼で治療。
しかし、目やには止まらず、目の症状が発生してから12日目に視力低下に気づいて、再び、眼科で受診。左眼の角膜穿孔(角膜に孔があいてしまうこと)指摘される…恐ろしいですね。
淋菌感染症に感染すると、最悪の場合、失明の危険さえあるのです。
淋菌感染症に罹らないよう、気を付けることはもちろん、もし、何か気になる症状があったら、すぐに医療機関で受診することが大切です。