高血圧を治療するためには、薬を服用する必要がありますよね。高血圧の薬として降圧利尿剤が処方されることも多いのですが、この薬には、腎臓に作用することでナトリウムと水分を排泄しやすくし、血液量を減らすという効果があります。
そうすると、血管に対する抵抗が下がるため、血圧も下がるということになります。
しかし、この利尿剤なのですが、確かに血圧が下がる半面、気になる点もあります。それが、水分を排泄しやすくするという部分です。
水分が多く排泄されるということは、体内の水分量が減るということですよね。すると、血液内の水分量も減るため、結果として血液が粘りやすくなるのです。
この状態を、血液がドロドロになっていると表現しているのを耳にされたことがあるかと思いますが、血液がドロドロだと、体が無理に血液を流そうとするので、体に負担がかかります。
さらに、利尿剤が目に影響して、眼圧が上昇するため緑内障を引き起こすことに繋がったり、腎臓で血液が上手く濾過できなくなって腎不全が起こったりもします。
このように、血圧を下げるという効果を持つ薬であっても、思わぬところにまで悪影響を与えてしまう可能性があるということですね。
しかし、そう言われると、利尿剤を服用している人はどうしたらよいのかと不安に感じられると思います。
血圧は下げなければならない、だけどその薬を使い続けることは怖いとなると、困りますよね。
そこで考えなければならないのが、生活習慣の改善です。長期服用することに問題があるのであって、必要な時には薬の力を借りる必要が出てくることもあります。
そこで、治療を進めながら、できるだけストレスをためないようにする、消炎鎮痛剤を飲み過ぎない、副交感神経を鍛える工夫をするなど、血圧を下げるためにできることを、生活の中に取り入れてみましょう。
ここで、副交感神経を鍛えると言われてもすぐに方法を思い浮かべられる人は少ないと思いますので、例を挙げてみます。それは、呼吸を上手く利用することです。
普段何気なくしている呼吸ですが、実は、息を吸うときには交感神経が働き、息を吐くときには副交感神経が働いているのです。
そのため、意識して息を長く吐くことによって、副交感神経を刺激することができます。
また、高血圧の治療法自体を考えるときに、利尿剤を使用しない方法を取っている病院もあります。
なかなか血圧が下がらず、治療が長期にわたりそうな時には、そういった方法を考えることによっても利尿剤を長期服用しなくて済む状態を作ることができます。
高血圧には、生活習慣が関わっている場合も多いので、治療と並行して、生活習慣を見直すことによって、治療の効果を上げる工夫をしてみましょう。