「ニコレット」は、製薬・医療機器会社のジョンソン・エンド・ジョンソンが発売しているニコチンガムです。ニコチンガムとは、その名のとおりニコチンを含んだガムで、現在では医薬品として認可されています。
このニコチンガムが考案された裏には、ちょっと興味深いいきさつがあります。そもそもは、スウェーデンの海軍潜水艦乗組員のために開発されたというのですから。潜水艦といえば、完全に隔離された密室のような物。
弾薬や精密機器が搭載されていますから、もちろん火気厳禁。タバコなんてもっての他でした。せまい船内での禁煙による離脱症状は、そこに押し込められている乗組員たちの軋轢となりかねなかったのです。
ニコチンガムは、そんな乗組員の離脱症状をやわらげるために作られたのでした。ニコレットはガムですが、その服用方法は噛みタバコや通常のガムとは少し異なっています。
やわらかくなるまで噛んだら、頬と歯茎の間にはさんで、その粘膜からニコチンを摂取するというのが、その方法です。
唾液を飲み込んで、胃腸から摂取するのが主ではありません。このニコレットを服用すると、禁煙によるニコチンの離脱症状を緩和することができます。
利点としてあげられているのが、ニコチン以外の有害物質、たとえばタールなどの摂取を抑えられるという点です。
ニコチンガムの他にも、肌に貼りつけるパッチタイプもあり、同じように皮膚からニコチンを摂取するしくみになっています。
ちなみにジョンソン・エンド・ジョンソンでは、ニコチンガム同様、ニコレットパッチという名称で、このニコチンパッチも販売しています。
ニコチンガムやニコチンパッチのいずれも、量を除々にに減らしていくことで、ニコチン依存症を克服できるのです。
ニコレットとニコレットパッチ、どちらを服用するかは、その人の生活に合わせて選びます。
目覚めや食後の一服がやめられない、口寂しいという人にはガムタイプのニコレットが気分転換にもつながります。
禁煙していることを悟られたくなかったり、入れ歯を使用している人には、パッチタイプがおすすめです。
また、医薬品ですので、ニコレットの服用には注意が必要です。第一に、ニコレットの使用と同時に、けっしてタバコを吸ってはいけません。
ニコレットは、あくまで禁煙時の離脱症状をやわらげるための物です。ニコチンが含まれていますので、タバコと同時に服用すると、過剰摂取になってしまいます。
電子タバコ
禁煙グッズの中でも、ここ最近、特に注目を集めているのが「電子タバコ」ではないでしょうか。
電子タバコは、その名称のとおり、電熱で気体を発生させ、煙として吸引する禁煙グッズです。
見た目は紙巻タバコそっくりで、先端には発火を模した赤いライトがつくというこだわりよう。
一目見ただけでは本物とまちがえてしまうくらいなので、喫煙気分を充分味わうことができるはずです。
テレビの通販番組などにも登場することがあるので、どんな物かもうご存知の方も多いのではないでしょうか。
「使っているところを見かけたことがない」と言う人は、ひょっとしたら本物のタバコと勘違いしているだけかもしれませんよ。
電子タバコは電気で作動させているので、当然のことですが火は一切必要としません。
そのため、燃焼による有害物質も副流煙も発生せず、子供などが受動喫煙をするといった危険もないのが特長です。
エコロジーで、周囲の環境と健康に優しい製品と言えるでしょう。販売されている物をいくつかご紹介しましょう。
◆ハイクリーン
カートリッジは日本製の物を使用。安心して吸引できます。吸い口には紙が巻いてあるので、通常のタバコと変わりのない質感になっています。水蒸気は安定して発生します。
◆ミスモ
「グレープフルーツ」「ミント」など、豊富なフレーバーが女性からの支持を得ている電子タバコです。
水蒸気には「コエンザイムQ10」と「ビタミンC」を配合。禁煙するとともに、より健康的な体へと近づけてくれます。
◆シンプルスモーカーmini
他の電子タバコと比べ、小さいサイズが人気を博しています。スマートで都会的なデザインが女性の間でも話題です。
重量が10gしかないので、軽く、持ちやすく、くわえタバコも楽にできるというのが特長です。
◆DTターボプレミアム
煙のたっぷり発生する電子タバコです。他の製品よりも、その量は約1.5倍も増えています。今までの電子タバコでは物足りないという方におすすめです。
カートリッジ1個で、およそ500回の吸引が可能という長持ちタイプ。充電はパソコンのUSB接続からも気軽に行なえます。
このように、製品においても利用者においても数を増やしつつある電子タバコですが、世に出回り始めて間もないという品だけに、知られていない事実も多くあります。
その一つが、日本国内でのニコチン入りの電子タバコの扱いです。実は、国内で販売されている電子タバコにニコチンは含まれていません。
ニコチン入りの電子タバコについては、販売が薬事法に抵触してしまうというおそれがあるためです。
もしも、オークションなどで海外の電子タバコを購入する機会などあるときは、注意が必要です。
ニコチン入りを求めてしまうと、買った側も売った側も薬事法に触れてしまうからです。
電子タバコをオークションなどで競り落とす場合は、製品仕様をよく確かめることをおすすめします。